<写真特集>失われゆく原風景―開発の波にのみ込まれる古村落

許宇暁    2016年7月26日(火) 20時10分

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明清代の趣を色濃く残す古村が点在する安徽省南部。自然と人為の融合美をたたえるこれらの村落は近年、観光開発の波にのまれつつある。許宇暁は、いずれ印画紙の中だけに存在するものになるかもしれないその原風景を毎年、カメラに収め続ける。

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日本ではそれほど知られていないが、中国中部の内陸にあたる安徽省には、陸の孤島であるために近代化の波から幸運にも取りこぼされ、いまだ往時の趣を色濃く残す古村が多く存在している。明代中期〜清代中期にかけて栄華を極めた商家によって形成された省南部の西逓・宏村(2000年に世界文化遺産指定)を中心に、6県に古村落が点在する。風光明媚な山水に、歴史的にも芸術的にも価値の高い古民家群が集まり、自然と人為の融けあった美しさをたたえている。

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しかしその美しさが知られるほどに、皮肉にも古村落は損壊の危機に立たされることになる。アマチュア写真家でありながら、毎年、かの地に足を運んで村の風景を撮り続ける許宇暁(シュー・ユーシャオ)は、観光開発の波にのみ込まれていく古村落に大きな危機感を抱いている。その原風景はいつしか、印画紙の中だけに存在するものになるかもしれない。木々の緑や色とりどりの花を引き立てるように寡黙に屹立する白壁の清冽さを記憶の中にとどめるべく、それでも許宇暁はシャッターを切り続ける。(文/山上仁奈)

●許宇暁(シュー・ユーシャオ)

アマチュア写真家。江蘇省無錫市出身。許子(シューズ)の名でも活動している。風景写真を得意とし、ネット上を中心に高い評価を得ている。代表作に「徽州、ある種の郷愁」「光と影−平地の上の魂」「秋霧」など。

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