<写真特集>文化大革命と紅衛兵―魂の可視化

田太権    2016年7月22日(金) 19時50分

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七十年前後、中国で一つの内乱が起こっていた。権力闘争であり、引退していたかつての領主は国軍を動かすことができず、代わって「胸いっぱいの情熱、愚かで無知、愚直な忠誠心」をもった年のころ小学生から高校生までの若者を動かした。彼らは「紅衛兵」と呼ばれた。

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かつて、七十年前後、中国で一つの内乱が起こっていた。権力闘争であり、引退していたかつての領主は国軍を動かすことができず、代わって「胸いっぱいの情熱、愚かで無知、愚直な忠誠心」をもった年のころ小学生から高校生までの若者を動かした。彼らは「紅衛兵」と呼ばれた。

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二十一世紀になり、中国重慶生まれのアーティストが、地元にある紅衛兵の墓を使った作品を世に送り出した。彼の名は田太権。

荒れ果てた墓地、彼はここでいまだに彷徨っているだろう紅衛兵の魂を可視化して見せた。墓地を背景に、顔をつぶした若い女性モデルをモンタージュした作品は、暗く、陰惨で、かつ妖艶である。

田太権の『忘却』を紹介した中国のサイトに、「粥潤發」という人物が書いた一文がある。「『忘却(原題:遺忘/Lost)』――文革を背景にした作品の紹介」と記されていた。その中から思い入れで一部を以下に訳してみる。

「『忘却』シリーズは中国で唯一、紅衛兵の墓碑を題材に創作された作品である。紅衛兵の墓碑群は重慶市沙坪沙[土覇]公園内にあり、完全な形で現存する唯一の文革墓地となっている。墓地面積はおよそ3000平方メートル。うち、113基の墓に、1967年〜1968年に重慶の武力闘争で亡くなった約500人の紅衛兵(重慶815派メンバー)が弔われている。埋葬されている紅衛兵は、下は14歳(約5人)から上は60歳までと幅広い。

あれから40年経った今、経歴者の記憶はどんどん薄れ、若い世代は当時のことを知らない。紅衛兵という過去は、ゆっくりと忘れさられようとしている……文革期、紅衛兵の数は1億人を超えた。1億の紅衛兵の歴史はこうして忘れさられていく…なんと嘆かわしいことか!かつて胸いっぱいの情熱を胸に、愚かに、愚直に、命をかけて守り、死んでいった紅衛兵は、ただの幻の夢のようだ。まるでいまの現実が存在しなかったかのように…

しかし、闘争の末に死んでいった紅衛兵の500基(重慶の一流派だけでこの数)の墓群に身を置き、数十基の薄暗い墓と墓碑群が林立する荒れ果てた土地に身を置き、一列一列刻まれた死者の名簿を目にすると、刹那の間に過去の叫びを聞き、血の匂いを嗅ぎ、遊離した彼らの魂ひとつひとつが訴えかけているのが見えてくる。忘却は一時的なもので、歴史を正視し悲劇が再び起こらないことを願っている。」

●田太権(ティエン・タイチュエン)

1960年、重慶生まれ。重慶美術学院卒業。早くからコンセプト作品を撮り始め、国内外で数多くの作品を発表する。代表作は「忘却(原題:遺忘/Lost)」シリーズ、「祭(Sacrifice)」シリーズ、「神曲」など。2005年に発表した「裂」シリーズはマカオ芸術博物館に収蔵されている。現在は四川美術学院/坦克庫.重慶当代芸術センターに所属。

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