日本のオタクはすでに死んでいる?―中国メディア

人民網日本語版    2016年6月22日(水) 10時50分

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「二次元文化」は戦後の日本で生まれた。専門家は、「戦後の世代がちょうどマンガの本質とマッチしていた」と指摘している。写真は遼寧省瀋陽市で開催された「クレヨンしんちゃん特別展示会」を見学する市民(2015年7月11日撮影)。

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「二次元文化」は、第二次世界大戦後の日本で生まれた。戦後の日本は米国の統制下となっていたため、日本の精神分析家である土居健郎氏は、「戦後の世代が子供のように感情や考え方を表現するのにはちょうどマンガの本質とマッチしていた」と指摘している。人民日報海外版が報じた。

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統計によると、日本のACG(アニメ、コミック、ゲーム)産業の生産額が、国内総生産(GDP)に占める割合は、農林水産業を超えている。日本の調査機構の統計によると、2004年の時点で、日本には「ACGオタク」が62万人おり、ACG産業は2000億円規模を突破。05年には、ACGの生産額がGDPの11.3%を占めるようになった。同数字は農林水産業の5倍以上に相当する。そして、13年には、日本のアニメ市場の生産額は2428億円に達した。

世界最大の市場調査会社、エーシーニールセンが14年2月に発表した、日本人消費者の視聴行動の分析に関する調査結果によると、スマートフォン利用者の55%が、スマートフォンで書籍購入や書籍閲覧などの電子書籍カテゴリのサービスを利用しており、1カ月の漫画の利用時間は漫画以外の電子書籍サービスの約2倍利用されていた。

日本でアニメ文化が人気となる経済的背景には、1970年代以降の「虚構の時代」があり、新しい世代は、物に不足したことはなく、消費主義が蔓延。社会の活気は薄れていた。

実際には、オタク同士のコミュニケーションが活発で、オタクは孤独な存在ではない。「オタキング」と呼ばれる日本のオタク評論家・岡田斗司夫氏は、著書「オタク学入門」で、マンガ雑誌の編集者・大塚英志が1992年にオタクを対象に実施した調査に触れ、「オタクは友人の数が普通の人よりも多く、社交的で、エンジニアや医師が多い」としている。

また、「日本は、子供に自由で寛大な文化が伝統的にある。そのため、マンガという子供向けの文化が日本では大手を振り、社会的にもアニメ文化が容認されているだけでなく、かなり多くの大人もオタクとなっている。一方、米国など、子供に対する干渉や教育を比較的重視している社会では、大人向けの知識や価値観が子供に伝えられ、子供向けの文化が広く伝えられることはない」との見方を示している。

さらに、「オタク文化というのは『江戸時代の消費者文化』である職人文化の正統な後継者であり、その特定の分野で熟練した技術は、人を敬服させ、自主性に満ちている。オタクの『美』を創造し、楽しみ、伝えるという向上心は、過度であるだけでなく、普通の人と比べると、滑稽で、不思議なほど」としている。

このような文化が欧米やアジア諸国などにも進出し、しかも日本と同じく大人気となっている。しかし、岡田氏は、お気に入りのアニメを家で数日間見ただけで「オタク」の仲間入りができる今の時代、「職人文化」を継承するオタクたちの精神は消えかけているとし、「オタキング」としての彼の定義に基づき、「オタクはすでに死んでいる」との結論を下している。 (提供/人民網日本語版・編集KN)

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