日本に根付く「三国文化」、伝統衣装から最新ゲームまで幅広く影響―中国メディア

人民網日本語版    2016年6月4日(土) 19時40分

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日本の書店をまわっていると、中国に関する他の書籍は少ないが、「三国演義」や「三国志」に関わる本だけは百種類以上もそろっていることに気付く。

日本の書店をまわっていると、中国に関する他の書籍は少ないが、「三国演義」や「三国志」に関わる本だけは百種類以上もそろっていることに気付く。三国関連の書籍は17世紀に日本の僧侶が初めて日本語に翻訳したという。この翻訳本は羅漢中の「三国演義」と陳寿の「三国志」を参考にしたもので、日本でさらに転写が重ねられ、今に至るまで流行し続けている。その後も、全訳本や抄訳本が相次いで出版され、現代小説風に書かれたものや、若者向けの漫画本なども数千万冊の売上を記録している。近年では三国をモチーフとしたゲームもあり、次々と最新作が打ち出され、大人から子供まで楽しめる人気作となっている。中国市場で販売されている三国ゲームのほとんどは日本の作品だ。揚子晩報が伝えた。

このように三国文化が根付いた日本では、全国に三国ファンが存在している。自発的に組織された「三国志ファンクラブ」も100以上ある。日本の高校生を対象に行われた「あなたにとってヒーローは誰ですか」というアンケートでは、諸葛亮が9位にランクインした。三国志の最も感動的なシーンとして挙げられたのは「桃園の誓い」だ。日本のサラリーマンは企業のために日夜奮闘し、過労死する人まで出ているが、これも「臣は鞠躬尽力し、死して後に已む」の考えに影響を受けているという。

山のような三国関連書籍の中でも、「孔明式『売れる!』マーケティングの教科書」「三国志の人間学: 脳力開発実践講座」「諸葛孔明の組織改革」など、実用向けの本がかなり多いことに気付く。経営の神様と呼ばれる松下幸之助も生前、「三国志に登場する人物の知恵は私の最良の師だ。企業管理においては、才能を愛し重用した劉備のやり方を見習わなければならない。これによって、小が大を制し、弱が強に勝ち、成功を収めることができる。企業の競争力を高めるためには、三国志に出てくる複雑な状況への対処法を学ばなければならない。名君のように、外部に対しては寛大に接し、自分自身はよく省みて明晰に己を知らなければならない」と語っているほどだ。中国の絢爛な古典文化が日本の近代経営理念にここまで生かされているとは、驚きだ。

私が仕事で知り合った日本人は、サラリーマンであれ専門家・学者であれ、三国志の人物や物語を非常によく知っている。彼らによると、三国志の日本への影響は、伝統衣装である和服にも表れているという。和服は三国時代、呉の国から日本に伝わったもので、呉服とも呼ばれている。日本の友人たちは、当時呉の国の首都だった南京を訪れると、孫権が建てた石頭城を興味深げに参観し、孫権の墓を訪れて参拝し、孫権がかつて水軍の調練を行ったとされる玄武湖を訪れる。また、ある日本人教授と共に建ギョウ区(ギョウは業におおざと)政府の前を通りがかった時、「建ギョウ」の二文字を見た教授が三国時代の古い地名が今も使われていると知り、思わず区政府の看板に向かって90度のお辞儀をしたこともあった。(提供/人民網日本語版・編集/SN)

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