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イトーヨーカドーの北京撤退が秒読みか、日系小売企業の窮状―中国

配信日時:2016年6月3日(金) 19時30分
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中国で相次いで閉店しているイトーヨーカドーだが、この状態はまだしばらく続くとみられる。

中国で相次いで閉店しているイトーヨーカドー(中国名・華堂商場)だが、この状態はまだしばらく続くとみられる。先月31日に明らかになったところによると、ヨーカドー大興店が7月1日に閉店することになり、11年の歴史をもつ北京市のヨーカドーは4店舗を残すのみとなった。市場の動きに合わせて変化できなかったことが、北京のヨーカドーが2008年以降、業績の悪化に苦しんだ原因だ。唯一業績が上向きのヨーカドー食品館も建物のオーナーが変わったため何らかの変数に直面している。赤字は積み上がり、ヨーカドーの北京撤退は秒読みなのだろうか。北京商報が伝えた。

▽赤字店舗は閉店へ

好調なところがあれば不調なところもある。北京の南城は商業が活発で、かつて商業の不毛地帯と呼ばれた大興エリアが、勢いを蓄えて発展の機会をうかがっている。だがこうしたタイミングで、11年にわたりこのエリアの開拓に力を入れてきたヨーカドーが撤退することになった。大興店の店先には閉店を告げるお知らせボードが設置され、「6月28日までは通常通り営業いたします。6月30日までは2階より下のフロアは通常通り営業し、各種設備・施設も通常通りに運営いたします。7月1日に営業を停止いたします」と書かれていた。

大興店が営業を停止すると、ヨーカドーの北京店舗は十里堡店、オリンピック村店、豊台北路店の総合店と世茂広場・工三の食品館だけになる。14年以来、北京のヨーカドーは閉店が相次ぎ、望京店、北苑店、西直門店、右安門店が閉店した。顧客のニーズに速やかに応えられなかったことが、上記店舗の閉店の主な原因だ。社会が発展し、顧客のニーズが変化しているのに、これに対応するヨーカドーのペースはゆっくりだった。別の原因として、収益力の低さからコストをまかなえず、赤字を招いたことも挙げられる。

ヨーカドーは発展のタイミングを喪失した原因を何度も何度も考えてきた。食品分野で消費者に評価される一方、衣料や生活用品には相当な投資をしながら、消費者のニーズと変化に十分に対応することができなかった。陽光新業地産株式有限公司はヨーカドーが北京に進出した当初からの重要な戦略的協力パートナーで、両社は協力して成都市と北京市で数多くの店舗を打ち出してきた。陽光関連部門の責任者は、「北京ヨーカドーの業績悪化はチームと戦略に主な原因がある。ヨーカドーは中国市場で成都チームと北京チームの2チームを擁し、7〜8年前に北京の運営チームが速やかに市場戦略を調整していれば、今日のような局面には至らなかった」と話す。

▽撤退は秒読み?

これ以上失敗が続くと、ヨーカドーの北京での生き残りは難しくなる。消息筋によると、北京ヨーカドーの残る4店舗はいずれも赤字だ。変革にはサプライヤーの協力が欠かせないが、市場での不振ぶりを受けてサプライヤーは赤字の事業の切り離しを考えるようになった。ヨーカドーの現状はサプライヤーの信頼を得ることができず、業績も悪循環に陥っている。

消費者の嗜好の変化に早急に対応することでヨーカドーは市場でのチャンスを先につかまえることができ、「デパートプラススーパー」という業態の革命を起こすことができる。時代と共に変わることができなかったこと、これがヨーカドーが北京で苦境に陥った最大の要因だ。ヨーカドーはここ2年間のサプライヤー総会で、08年に業績がピークに達した時点で速やかに変化を打ち出せなかったことが誤りだと繰り返し述べてきた。ヨーカドーは今日まで、北京エリアで業績の好不調の境目を越えて新たな成長の軌道に足を踏み入れることができなかった。

世茂広場・工三のヨーカドー食品館は既存店舗の中で唯一、業績が好調な店舗だが、黒字には達していない。建物のオーナーが楽視に変わったため、楽視が新たな店舗計画を打ち出して、食品館が撤退する可能性もある。膠着状態にある経営、ここ数年発し続けるマイナスのシグナルが、規模の小さなヨーカドーの北京市場での生き残りをますます難しいものにしている。長期にわたり赤字から抜け出すことができなければ、ヨーカドーが将来、北京市場から撤退する可能性も排除できない。

▽日系資本小売産業の窮状

今年はカルフール、ウォルマート、メトロの3大外資系小売企業が中国進出20周年を迎える。ここ数年間の業績は芳しくないが、消費者のニーズに応えようと積極的に変化を仕掛けている。オンラインとオフラインの2つのルートを開通させたり、コンビニを打ち出したり、コンセプトの練り直しを行ったりしている。欧米ブランドに比べ、日系の小売企業は相対的に動きが遅い。ヨーカドーは来年に中国進出20周年を迎えるが、未来の変身の方法はまだ見つかっていない。

同じく日系ブランドのイオンは発展の重心が大型の売場から商用不動産へと移っている。20年をめどに中国でショッピングセンター50カ所をオープンさせる計画だ。日系大手小売企業は地理的に中国市場と近いものの、思ったほど順調に業績を上げていない。目下最も好調なコンビニ業態をみると、日系のセブンイレブンの場合、直営店が多い北京市場や成都市場と代理店モデルが多い広州市場や上海市場とでは一定の開きがある。相対的に成熟したデパート業態をみると、上海では高島屋が日本人や韓国人の集まるエリアに出店したものの、経営状態は順調とはいえない。高島屋は大規模な調整を行い、レストランや体験型の事業を強化したが、業績は引き続き思うように伸びていない。また瀋陽市場でもがき続けた伊勢丹は最終的に撤退した。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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