<オバマ大統領・広島訪問>核廃絶を約束した「プラハ演説」から何も変わらず、残りの任期中に全力尽くせ=原水爆被団協事務局長

八牧浩行    2016年5月20日(金) 10時0分

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19日、日本原水爆被害者団体協議会の田中事務局長が会見し、オバマ大統領の広島訪問について見解を表明。オバマ氏が核廃絶を約束したプラハ演説から「7年経過したが状況は変化していない」と批判、核廃絶に向け「残りの任期中に全力を尽くしてもらいたい」と要求した。

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2016年5月19日、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中煕巳事務局長が日本記者クラブで会見し、オバマ米大統領の広島訪問について見解を表明した。オバマ氏が核廃絶を約束したプラハ演説から「7年経過したが状況は全く変化していない」と批判、核廃絶に向けて「大統領として残りの任期中にできる限りのことをしてもらいたい」と要求した。その上で、「原爆被害者に直接会い、話を聞いてもらいたい」と訴えた。また核兵器で戦争を抑止することはできず、世界中の国民が核兵器の悪魔性を重く受け止めるべきだと強調、日本が米国の核の傘の下にいることは「核の容認」につながると疑問を投げかけた。

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被団協は「核兵器は反人間、反人道的な悪魔の兵器」と訴えてきた。オバマ大統領が被爆地・広島を訪問することで、残りの任期で大統領として行使できる権限すべてを使い、(核廃絶に向けて)できる限りのことをしてくれると期待する。

戦争は絶対的な悪である。安倍政権は集団的自衛権を容認し戦争ができる国にする安保法を成立させた。さらに憲法9条改正も視野に入れる中で、日米の軍事同盟強化のためにオバマ大統領の広島訪問が利用されるなら、我々が望むところではない。こうした状況での広島訪問は心配だ。

日本が米国の「核の傘」の下にいることは、結果的に核の容認につながる。核兵器で戦争を抑止することはできず、世界中の国民が核兵器の悪魔性を(重く)受け止めるべきだ。

オバマ大統領の広島訪問が日米両国の軍事的協力関係の強化につながる可能性もあり、今後の両国関係を注意深く見守っていきたい。

オバマ大統領は2009年の就任直後のプラハ訪問の際の演説で、核兵器のない世界の実現を訴えたが、米国の核政策と世界の核兵器の状況は7年経った今も全く変わっていない。約束を履行してもらいたい。

また、米国が広島、長崎で核兵器という違法な兵器を使用したという思いは揺るがない。オバマ大統領が原爆被害者に直接会い、謝罪するよう要求したい。私は長崎で被爆し、祖母や叔母が死亡した。長崎にも行ってもらいたい。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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