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近頃行われた調査によると中国の大学生には卒業論文を軽視する風潮が見られ、大学教授からも「不要論」が出ている。卒論は大学4年間の集大成だが、今後、どうなるのか。写真は清華大の06年度卒業式。
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2007年12月17日、中国青年報と教育関連サイトが共同で対象者2243名に行った調査によると、71.3%が「大学生は卒業論文を軽視している」と答え、42.5%が「卒業論文は不要だ」と答えた。
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「就職活動で忙しくて卒論は書けない。いい仕事を見つければ一生幸せだけど、卒業論文ではご飯は食べられません」、「コピーアンドペーストで完成」。大学生がこう語るように卒業論文は軽視されているのが現状だ。提出論文も「引用が多すぎるもの」が31.8%、「創造性に欠けるもの」が25.1%、「作文力が欠如しているもの」が19.8%、「テーマが大きすぎ、学部生には対処できないもの」が18.1%、「執筆規定を超えているもの」が5.1%と、問題ばかりだ。
原因は、作文能力の欠如や就職活動との時間的な兼ね合い、教師の指導不足にあるという。そのため、「卒業論文不要論」が調査対象の42.5%にものぼった。大学教授でさえアメリカの大学が卒業論文を課さないことを引き合いに卒業論文廃止を主張するほどだ。
しかし、不要論だけではない。31.5%が卒論廃止に反対した。他方、不要とまではいかなくとも、卒業の要件として論文以外の選択肢も学生に与えるべきだという意見もある。
大学での専門教育での成果を見るのが卒業論文である。しかし、望み通りの就職ができたということも大学教育の成果の一つである。中国のおける大学教育とは何かが問われている。(翻訳・編集/小坂)
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