「日本人は絶対に冷たくなんかない」、訪日して知った日本人の新たな一面―中国人学生

日本僑報社    2016年4月27日(水) 9時50分

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日本人と中国人は外見こそ似ているが、その文化や生活習慣は大きく異なり、それが原因で誤解が生じてしまうこともよくある。しかし、長春理工大学の白露さんは自身の日本での体験から、日本人の新たな一面を感じたようだ。資料写真。

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日本人と中国人は外見こそ似ているが、その文化や生活習慣は大きく異なり、それが原因で誤解が生じてしまうこともよくある。しかし、長春理工大学の白露さんは自身の日本での体験から、日本人の新たな一面を感じたようだ。

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「ね、日本人ってさ、ちょっと冷たいと思わない?」。新宿駅に着いた電車を降りた時、隣の友達が急に私に言ってきた。

私は今年3月に10日間日本へ行き、現地の大学生と交流するというプログラムに参加した。日本の電車の中では、乗客は静かにして、話す時も大きな声で話さないというのは有名な話である。実際に、電車の中でみんな本を読んでいたり、ヘッドフォンで音楽を聞いていたりして、本当に静かだった。周りが見えないくらいに自分のことをしていて、周りへの無関心さを感じる程だった。中国の電車や街では、みんないつも親しく話していて、にぎやかだ。それが当たり前の私たちは、静かで話をしない日本の電車が冷たいと感じるのだろう。日本人は本当に冷たいのだろうか。

まず、「他人に迷惑をかけない」というのは、日本人の行動する基本的な原則である。私が日本にいる時、一番よく聞いたのは「すみません」と「失礼します」という言葉。日本の飛行機で客室乗務員はご飯をみんなに配った時、ずっとみんなの足元を見ながら、何回も「失礼します」と言ってワゴンを押していた。この場面はとても印象的だったので、今でも記憶に残っている。

このように、電車や街などの公共の場所で、日本人はまず集団あるいは他人の利益を考え、他人の邪魔にならないように工夫して行動する。だから「冷たさ」を感じることもあるのだろう。また、このいわゆる「冷たさ」は日本だけでなく、現代都市の特徴の一つだと思う。経済は急速に発展し、都市化もますます進んできた。だから、日本人は周りに無関心なのではなく、見る暇がないほど自分のことで精いっぱい。また、都市が発展すればするほど人々は忙しくなり、孤独感を感じやすいと思う。日本だけでなく、中国の北京、上海などの大都市の人にも「冷たさ」を感じる。

日本人はどこの国の人よりもプライバシーを重視する国だと言われている。私的な問題などを深く聞かないから、自発的に話しかけることが少ない。だから冷たいと思われるのではないだろうか。しかし、他人と少し距離を取るのはお互いを尊重し他人に迷惑をかけないという日本人の考えだと思う。これは日本人の冷たさではなく、むしろ高度に発展している社会で生きる日本人の優しさなのではないかと思う。

自動販売機には季節に関係なく温かい飲み物があり、冬に便利な温かい便座があり、いつも笑顔であいさつする店員さんなどから、私はすぐ日本人の優しさがわかった。距離をとって深く関わらない優しさは、誰にでも理解されるわけではない。「愛している」と言われると、相手は自分を愛してくれているとわかる。しかし、愛しているからこそ相手を尊重し、プライバシーに深く関わらず、適当な距離を保つ。この愛情は冷たくはなく、むしろ温かく、より深く愛情を感じさせ、長く続くものだと思う。

今、「日本人は冷たい?」と聞かれたら、私は絶対に冷たいと思わない。個人よりも集団の利益を優先させる考えができ、プライバシーを重視し他人と少し距離をとってお互いを尊重し、他人に迷惑をかけない日本人の考えは、むしろ優しいと思う。これに気づいた私は、日本人のことが少しわかったような気がする。(編集/北田

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、白露さん(長春理工大学)の作品「冷たい優しさ」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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