東証株価が暴落、1万6000円を3週間ぶり割り込む=大幅円高を嫌気、市場筋「実体経済喚起策なければ1万4000円台も」

八牧浩行    2016年5月2日(月) 11時10分

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2日、東京株式市場で日経平均株価が暴落、一時690円安の1万5975円を付けた。1万6000円を下回るのは、4月12日以来ほぼ3週間ぶり。円相場が1ドル=106円台に急騰したため輸出関連企業の採算悪化懸念から、全面安の展開となった。写真は東証。

2016年5月2日、東京株式市場で日経平均株価が暴落、一時連休前の4月28日終値に比べ690円安の1万5975円を付けた。1万6000円を下回るのは、4月12日以来ほぼ3週間ぶり。円相場が1ドル=106円台と、連休前に比べ2円以上の円高・ドル安水準に急騰したため輸出関連企業の採算が悪化するとの懸念から売りが殺到、全面安の展開となった。

財務省が4月29日に発表した貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書で、対米貿易黒字が大きい日本や中国など5か国・地域を監視リストに指定。米当局は「相手国が不当な通貨切り下げなどを強めれば、対抗措置がとれる」としたため、人為的な円安誘導策が困難となったことも、売り圧力となった。

市場筋は「アベノミクスは円安政策が輸出拡大と企業業績向上につながることを狙って、異次元金融緩和を続け、株高を演出してきたが、ここにきて行き詰まっている」と分析。「思い切った財政出動など実体経済喚起策が打ち出されなければ1万4000円台への下落もあり得る」と懸念している。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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時事通信社で常務取締役編集局長を務め、ジャーナリストとしての活動歴は40年以上。
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