英国が植民地問題を円滑に処理できたのは「独立を選択させたから」=「終戦が契機となった日本と異なる」―駐日英国大使

八牧浩行    2016年4月5日(火) 9時53分

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4日、ヒッチンズ駐日英国大使が日本記者クラブで会見。英国が、多くの植民地を抱えながらも、スマートに処理した点を問われ、「英国は多くの植民地に独立か植民地継続かを選択させたが、日本の植民地は終戦をきっかけに独立国となったためではないか」と語った。

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2016年4月4日、英国のティム・ヒッチンズ駐日大使が日本記者クラブで会見した。中国(満州)や韓国など日本が戦前植民地とした国との間で歴史認識などを巡りぎくしゃくしているのに比べ、英国が、多くの植民地を抱えながらも、スマートに処理した点を問われ、「英国は多くの植民地に独立か植民地継続かを選択させたが、日本の植民地は終戦をきっかけに独立国となった。ただ台湾、インドネシアなどうまくいっている国もある」と語った。

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また、英国の欧州連合(EU)離脱を問う6月の国民投票に触れ、「テロや気候変動など世界的な不確実性を前にEU離脱は無謀で、経済的な利益や安全性を損なう」とEU残留の必要性を訴えた。EUの将来にも言及、「英国の加盟しないEUは偏狭的で閉鎖的になる可能性があり、国際舞台での存在感が薄れる」と欧州全体の地盤沈下につながると憂慮した。

さらに英国がEUから離脱すれば「英国の経済と安全保障の両方を脅かし、さらにはEUや、より広範な国際システムの弱体化をもたらす」と懸念を表明。日本から多くの企業が英国に進出しているのはEUの共通市場を前提としていると指摘し、トヨタ日産などは「英国のEU離脱」に反対している、と強調した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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