日米中による平和共存“トライアングル”を追求すべき=自衛隊の海外派兵は賢明でない―山崎拓元自民党副総裁・防衛庁長官

八牧浩行    2016年3月31日(木) 5時30分

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29日、自民党の山崎拓元副総裁が安保法施行を受けて記者会見。自衛隊を海外に派兵し、軍事力で世界の平和を構築しようとするのは賢明ではないと指摘。日本にとって日米同盟と日中協商が基軸となるとして、日米中による平和共存トライアングルを追求すべきだと訴えた。

2016年3月29日、自民党の山崎拓元副総裁・防衛庁長官が安保法施行を受けて、日本記者クラブで会見した。「積極的平和主義」の名のもと、自衛隊を海外に派兵し、軍事力で世界の平和を構築しようとするのは賢明ではない、と指摘。日本にとっては「日米同盟」と「日中協商」が基軸となるとして、日米中による平和共存“トライアングル”を追求すべきだと訴えた。発言要旨は次の通り。

安保法が施行されたが、「積極的平和主義」の名のもと、自衛隊を海外に派兵し、軍事力で世界の平和を構築しようとするのは賢明ではない。防衛費が増え、初めて5兆円を突破した。米艦を防衛することは、防衛政策上取れないし、取るべきではない。

米国が本気で中国とコトを構える気はないが、巻き込まれれば日中戦争にもなりかねない。(武力行使に)慎重であるべきで、(事前に)最大限の外交努力を払うべきである。米国も「世界の警察官」を続けられるか疑問である。

海外派兵により自衛隊員に犠牲者が出ないように最大限努力すべきだ。憲法上の制約もあって戦後70年間、そのような(戦死者を出す)ことはなかったが、現政権で初めてそのような事態が生じれば、政権を失うことになる。

日本、米国、中国による平和共存“トライアングル”を追求すべきである。日本にとっては「日米同盟」と「日中協商」が基軸となる。日中間には問題があるが、日中は経済的に結びついており、おかしくなればアベノミクスは行き詰まる。

米大統領選での共和党有力候補のトランプ氏が在日米軍撤退などに言及したが、外交・安保は無知蒙昧(もうまい)の類いではないか。米国は大統領によってスタッフが総入れ替えになるので、(政策方針に)大きな変化が生じる。当選しないことを祈っているし、信じている。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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