南シナ海への自衛隊派遣に反対、「ASEAN諸国に残る“戦前日本への思い”」=参院選意識した機雷掃海訓練「非公開方針」に異議―小野寺前防衛相

八牧浩行    2016年3月29日(火) 7時10分

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28日、小野寺五典前防衛相は「安保法施行と日本の防衛」をテーマに日本記者クラブで会見し、中国が海洋進出している南シナ海への自衛隊派遣について、否定的な見解を示した。

2016年3月28日、小野寺五典前防衛相は「安保法施行と日本の防衛」をテーマに日本記者クラブで会見し、中国が海洋進出している南シナ海への自衛隊派遣について、否定的な見解を示した。

小野寺元防衛相は会見の中で、「防衛大臣会合などで、ASEAN(東南アジア諸国連合)の防衛大臣と話し合う機会が多かったが、彼らには戦前の日本軍の南シナ海での行動への“思い”があり、米軍への思いとは違う印象を持っている」と指摘。「日本の自衛隊のパトロールをよしと思っている国ばかりではない」として、派遣に慎重な考えを明らかにした。ただ、ASEAN諸国など他の国が自分の領土を守るための能力を支援するのは問題がない、との認識を示した。

また、自衛隊がペルシャ湾など機雷掃海を想定した訓練を公開することを、7月の参院選挙を意識して首相官邸が抑制するよう指示しているとされることに関し、「訓練を国民に見ていただくことが、安心感につながり、自衛隊の士気も向上する」と言明。「(公開の抑制が)事実だとしたら格好いい話ではない。政治家がいろいろ言ってはいけない」と語った。

また、安保法が施行されることについて「北朝鮮など我が国を取り巻く環境が緊迫化している中で、国民の理解も進んでいる」と強調。米共和党の有力大統領候補、トランプ氏が、日本からの防衛協力費増額がなければ在日駐留米軍は撤退すべきだ、などと発言していることに対し、「日本も安全保障をどうするか国内の議論を深めなければならない」と述べた。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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