安倍首相が訪露の際、プーチン大統領に伝えてほしいメッセージは「早くウクライナから出て行け!」―駐日ウクライナ大使

八牧浩行    2016年3月16日(水) 20時40分

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ハルチェンコ駐日ウクライナ大使が日本記者クラブで記者会見。安倍首相が5月にも訪露すると報道されていことについて、(その際)プーチン露大統領に是非伝えてほしいメッセージは「早くウクライナから出て行け」「北方領土から出ていけ」の2つだけだ、と強調した。

2016年3月16日、ロシアのクリミア自治共和国併合から2年経過したのを機に、ハルチェンコ駐日ウクライナ大使が日本記者クラブで会見。安倍首相が5月にも訪露すると報道されていことについて、(その際)プーチン露大統領に是非伝えてほしいメッセージは「早くウクライナから出て行け」「北方領土から出ていけ」の2つだけだ、と強調した。

約2年前の2014年3月18日にロシアが軍事介入し、クリミアの領土をロシアが占拠、4月にはウクライナ東部地域にも軍事介入、3分の2が占拠された。極めて困難な状況に陥り、ロシアの軍事介入によってクリミア人兵士2600人以上が死亡し、1万人以上が負傷。約150万人が避難民となっている。占領軍は工場なども破壊、学校などにも被害が出ている。

2014年の夏に東部で激しい戦闘の結果、ロシアの進行を食い止めたが、ドネツク州などが今なお占領されている。4万3000人の軍隊が駐留。資金を出し指揮しているのもロシアである。近代的なロシアの兵器が配備され、戦車は100基あり、そのうちの1つの大砲が14年7月の航空機撃墜に使われた。

国際社会から様々な対露制裁が出されているが、ロシア側は「ミンスク合意」など約束した様々な停戦合意をほとんど履行していない。ロシア側にすべての非がある ロシアは撤退せよということだ。いまだに戦闘は続いている。目立たなくなっただけで、法に則った秩序が回復されるまで、すべての制裁は維持されるべきだ。21世紀なのにロシアは19世紀型の行動をとっている。クリミアを取り戻すためには、侵攻してきたロシアがまず撤退をすべきだ。

ロシアによる人権違反行為が継続し、難民100人以上が人質として囚われている。中にはパイロットで議員であるサブチェンコ氏も含まれている。

安倍首相が5月にも訪露すると報道されているが、(その際)プーチン露大統領に是非伝えてほしいメッセージは「早くウクライナから出て行け」「北方領土から出ていけ」の2つだけだ。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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