<中国は今!>中国人の団体客が消えた香港=書店関係者の行方不明事件で今年も波乱―反中機運、高まる気配?

Record China    2016年1月16日(土) 13時0分

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昨年末香港を訪れたが、なぜか漠然と「いつもと雰囲気が違うな」と感じた。その「何か」が分からない。週末に訪れたためか外に出ても、人であふれており、いつもの風景が展開されていたにもかかわらずだ。写真は大陸からの中国人がめっきり減った香港中心部(筆者撮影)。

昨年末、香港を訪れたが、なぜか漠然と「何か、いつもと雰囲気が違うな」と感じた。その「何か」が分からない。週末に訪れたためか、外に出ても、人であふれており、いつもの風景が展開されていたにもかかわらずだ。

それが、年明け早々に銀座に出かけた際、すぐに分かった。香港では、大陸からの中国人観光客の団体が見えなかったのだ。

年末だったせいか、いつも泊まるホテルに近いデパートは客であふれており、とくに日本の食材を中心にした地下の食品売り場は買い出しに来た人々で歩くのもままならないほど混雑していたのだが、街なかで中国語特有の甲高くて、大きな声が聞こえなかったのは確かだ。1、2年前に比べて、明らかに中国人観光客が少なくなっているのだ。

銀座では大型のマイクロバスがデパートの前に停車して、多くの中国人観光客でにぎわっており、店内でもいたるところで中国語が飛び交っていた。つい数か月前は、香港でも同じような風景を見ることができたのに、なぜ香港から中国人観光客が消えてしまったのか。

ある香港の知人は「中国人バイヤーの粉ミルクなどの爆買で、香港政府が中国市民の香港訪問を週1回に制限したためだ」と語っていた。このため、中国人バイヤーが激減したのに加え、一般の中国人観光客も香港の反中ムードに反発して、訪問客が激減したという。

昨年10月までの5カ月間連続で香港を訪問した中国人観光客が減少しており、10月は前年に比べて3万人も減っている。この傾向は今年も続きそうだ。

このコラムでも書いたが、香港では昨年10月から12月にかけて、香港の書店関係者が5人次々と行方不明になっているからだ。

真相はやぶの中だが、彼らは習近平主席の女性関係についての本の出版を計画しており、それが習主席の逆鱗に触れ、中国当局が身柄を拘束したのではないかと香港メディアは報じている。

1月10日の日曜日に行われた中国への抗議デモには6000人以上の香港市民が参加したほか、中国寄りの行政長官や議会議長、政党関係者らが、中国政府は香港の独自性を50年間認めた「『1国2制度』を守るべきだ」などのコメントを出さざるを得ない状況だ。

一昨年は学生らが香港の幹線道路を占拠する「アンブレラ(雨傘)革命」が吹き荒れたが、今年も香港の反中機運はますます高まりそうな気配が濃厚だ。

◆筆者プロフィール:相馬勝

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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