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「何があったらそんなに泣けるの?」=理解できなかった私は、日本人の涙を見てその意味を知った―中国人学生

配信日時:2016年1月3日(日) 11時50分
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日本人と中国人は、互いの国や人について誤解していることも多いが、実際に交流して友情を深めている人々も数多くいる。浙江農林大学の楊娟さんは、自身が出会った日本人との友情を強く信じているようだ。
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日本人と中国人は、互いの国や人について誤解していることも多いが、実際に交流して友情を深めている人々も数多くいる。浙江農林大学の楊娟さんは、自身が出会った日本人との友情を強く信じているようだ。

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私は生まれついてから泣くことが下手な人です。この21年間で、私が泣いた回数は数えられます。泣いている人の姿を見るたびに、「一体何があったらそこまで悲しくて泣くことができるの」と思って、時には嫌な気もします。しかし、その日、その涙を見てから、私は涙への理解を深めました。その涙を、私は一生忘れられないと思っています。

それは神崎さんが帰国する日でした。神崎さんは私がいま勉強している大学で半年間留学した日本人の留学生で、春から新入社員として仕事が始まるので帰らなければならないのです。半年間の留学ですが、神崎さんはこの大学で中国人の友達がいっぱいできました。彼はすごくいい人ですから。彼にお願いがあれば、きっと力を出して応えてくれます。今年の冬休み、神崎さんは日本に帰って、箱いっぱいの日本語の本を持って戻りました。そして、図書館に寄贈しました。私たちの日本語の勉強に役立つかもしれないと思ってくれてのことです。

天気がよくて、どこまでも晴れ渡った空でした。私は神崎さんを上海行きの駅まで見送りに行きました。私たちは20分くらい早めに駅に着き、控え室で休んで、バスを待ちました。神崎さんの荷物を見て、私は好奇心に駆られて、「神崎さん、どうしてそんなに荷物が多いのですか」と聞くと、思いがけないことに、「中国人の友達からもらったプレゼントです」と神崎さんが言いました。

ふと神崎さんの顔を見ると、彼の目から涙がぽろぽろとあふれていました。私はびっくりして、どうすればいいか分かりませんでした。「大丈夫、大丈夫」と言うしかありませんでした。「日本へ帰りたくない。臨安に住みたい。皆さんと一緒にもっと勉強したい。一緒に遊びたい…」と神崎さんはむせび泣きながらそう言いました。もう、私は何の言葉も出なくなりました。

中国では男はあまり泣かないのが普通です。私も今まで一度も泣いている男の人の姿を見たことはありませんでした。たとえ泣いても、人に見えないところでこっそり泣く程度です。しかし、日本人として、男としての神崎さんはそれを意に介さず、私の前で泣きました。驚くというより、むしろ感動させられました。その気持ちはどんなに強かったのでしょうか。彼はどれほど名残惜しく、ここを離れたくなかったのでしょうか。

その止まらない涙を見て、私はすべて分かるようになりました。「神崎さんはどこへ行っても、一人じゃないよ、私はずっと応援しているから寂しくはないよ。これからも、楽しいことや悲しいことなど何でも私に言って。友達だからさ!」と私は言いました。なぜそんな言葉が出てきたのか、私自身も分からなかったのですが、それこそ、心から出てきた本音だったのでしょう。

それから神崎さんは荷物をバスに運びました。すると、改札口へ戻って、私に深くお辞儀をして「ありがとう」と言いました。そして、何度も振り返って手を振りました。神崎さんの後ろ姿を見ていて、またいつか会えると私はそう信じました。愛情には国境がないとよく言われますが、友情は愛情より力強く国境を越えられると私は思っています。ですから、私は神崎さんとの厚い友情はずっと大切にして生きていきたいと思います。同時に、またさまざまな問題でぎくしゃくしている中国と日本の方々に、この気持ちを伝えたいと思っています。(編集/北田

※本文は、第九回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国人の心を動かした『日本力』日本人も知らない感動エピソード」(段躍中編、日本僑報社、2013年)より、楊娟さん(浙江農林大学)の作品「忘れられない涙」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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