2015年12月3日、韓国陸軍が朝鮮戦争の参戦勇士に対する勲章を同姓同名の別人に授与していたことが分かり、受章者遺族がこのほど訴訟を提起、裁判所が国による賠償責任を認めた。韓国・KBSテレビが伝えた。

1953年、朝鮮戦争に韓国軍兵士として参戦し手に大けがを負ったキムさん。翌年、武功勲章を認められた時にはすでに退役していたため、陸軍は40年以上たった97年にようやく勲章を授与した。しかし勲章を受け取ったのはキムさんとはまったく別の人物。2人が同じ29年生まれで同姓同名、住民登録番号の数字の並びも似ていたため、陸軍の実務担当者が間違えたという。

以降15年間、キムさんの遺族が受けるはずだった国家有功者への優遇措置は、赤の他人が受け取り続けていた。この事実を知ったキムさんの遺族は、国を相手取り2億ウォン（約2200万円）の損害賠償請求訴訟を提起したが、裁判所は請求の消滅時効を考慮し、5年分の損害のみを認定、3200万ウォン（約350万円）余りを国が支払うよう命じた。

この報道に、韓国のネットユーザーは次のようなコメントを寄せている。

「黙って15年も優遇措置を受けていた偽のキムさんにも賠償請求すべきなのでは？」

「セウォル号の犠牲者は1人8億ウォン（約8800万円）！国を守った兵士には3200万ウォン（約350万円）？」

「愛国では代が滅び、売国で成功する国」

「まるまる横取りしてたのは誰なのか、続報を頼むよ」

「こういう方たちの待遇には本当に興味がないみたいだね。どうやったら同姓同名の別人に授与なんてミスをするんだ？」

「これじゃ誰も国を守りたいなんて思わない」

「国防部には本当にあきれる」

「もう指摘するのも疲れた」

「大韓民国の公務員はすごいな」

「消滅時効がこんな所で使われるなんて。繰り返し過ちを認めさせ、利子を払わせるどころか…本当に情けない」（翻訳・編集/吉金）