<気候変動世論調査>中国人の「個人的懸念」、40カ国で最低=大気汚染、懸念材料とならず=米調査機関が公表

八牧浩行    2015年11月18日(水) 9時15分

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17日、ピュー・リサーチセンターのディレクター(写真中央)が記者会見し、「気候変動に関する国際世論調査」結果を説明。世界のほぼすべての国の人々が気候変動を懸念、11月30日から開かれるCOP21での温室効果ガス排出削減に関する国際合意を望んでいる。

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2015年11月17日、米国の代表的な調査機関、ピュー・リサーチセンターの、ブルース・ストークス国際経済世論調査部ディレクターが、日本記者クラブで記者会見し、日米中露印など40カ国の4万5000人を対象とした「気候変動に関する国際世論調査」結果を説明した。それによると、世界のほぼすべての国の人々が気候変動を懸念、11月30日から12月11日までパリで開かれる国連気候変動パリ会議(COP21)での温室効果ガス排出削減に関する国際合意を望んでいることが分かった。発言要旨は次の通り。

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調査結果では、大多数が温室効果ガス排出削減の強い行動を支持。78%が国際合意の枠組みの中で、自国が温室効果ガス排出量の抑制を約束するよう望んでいる。多くの国で、世論の圧倒的多数が政府の行動を支持している。

気候変動を抑止するために、生活様式の大きな転換が必要だと考える人の割合は、世界全体の67%に達し、中でもブラジル人(89%)、ヨーロッパ人(73%)、アメリカ人(66%)などが多かった。 世界各国の国民が、応急的措置では気候変動と闘うには不十分だと認識しており、技術だけで解決できると考える人の割合は全体の22%にとどまった。

また世界全体の72%が個人の生活に気候変動が個人の生活に関係があると認識し、具体的影響として、干ばつ(66%)、極端な気象現象(25%)、猛暑(14%)、海面上昇(6%)などを挙げた。

一方で、世界的な意識とはギャップのある国も存在。中国では気候変動が「個人の生活と非常に関係がある」と感じている人は15%、「非常に心配」と答えた人も、18%にすぎず最低。にもかかわらず、国際合意の締結を望む中国人の割合は、50ポイント以上高い71%に上った。

毎年中国で、「直面している問題は何か」を調査しているが、5年前から腐敗、不平等、大気汚染の順となっており、地球変動調査に答えた中国人が率直な意見表明を控えているとは思えない。私はこれから中国を訪問するので、今回調査で「大気汚染」が大きな懸念材料とならなかったのは何故か、中国の環境問題担当者に尋ねてみたい。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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