一人っ子政策の廃止に反対した専門家たちの主張―中国

Record China    2015年10月30日(金) 18時20分

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29日、中国政府は、1979年以来続けてきた一人っ子政策を完全に廃止し、すべての夫婦が第2子を持つことを認めると発表した。では、一人っ子政策廃止に反対した人たちの意見にはどんなものがあるのだろうか。写真は一人っ子政策の広告。

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2015年10月29日、中国政府は、1979年以来続けてきた一人っ子政策を完全に廃止し、すべての夫婦が第2子を持つことを認めると発表した。

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今回の政府の決定について、中国のポータルサイト・網易に「かつて一人っ子政策の全面廃止に反対していた人たちは、いったい何に反対していたのか?」と題する特集が掲載された。

国家行政学院公共管理教育研究部の馬慶●(マー・チンユー、●=金へんに「玉」)副部長は、「計画出産政策に問題を産むことになる。主導権を手放した後で、再び取り戻すのは非常に難しい」と指摘した。同氏は、「人口の多さが国民の生活の質が上がらない重大な原因であり、資源、教育、就職面での各種の問題も政府の圧力となっている」と主張した。

中国人口学会のディ振武(ディ・ジェンウー)会長は、「ここ数年、中国の出生率は1.5以下に落ち込んだことはない」と指摘した。「高齢化は長期的な趨勢で逆転は不可能。一人っ子政策の廃止で高齢化を避けることができるという幻想を抱くべきではない。全面的な介護サービスシステムを確立する必要がある」との考えだ。また、「子どもが農村部から都市部に出ることはすでに一般化しており、多く産んだからといって過疎化が解決するわけではない」とも指摘している。

ジャーナリストの石述思(シー・シュースー)氏は、貧困層が子どもを多く出産することで、学校、家庭、社会の負担が増加することを懸念した。教育や医療が、増加する子どもの数に追いつかないということだ。

さらに財政面にも影響する。弁護士の呉有水(ウー・ヨウシュイ)氏によると、2012年度に10の省で一人っ子政策に違反したために収められた社会扶養費は100億元(約1900億円)に上る。つまり、一人っ子政策の廃止により、これらはなくなるということになる。

前出のディ会長は、「中国の9.3億の労働力が生み出すGDP(国内総生産)の価値は、先進国の20%に過ぎない。中国は労働生産率を上げる必要がある。発展は人口ではなく、人材、技術、現代化によって進めなければならない」としている。(翻訳・編集/北田

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