官邸主導の対ロシア外交は稚拙、岸田外相がモスクワに行く必要はなかった―作家・佐藤優氏が講演(3/3)

八牧浩行    2015年10月18日(日) 23時10分

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作家・佐藤優氏が講演(新聞通信調査会主催)した。首相官邸主導の外交は、ロシアとの北方領土交渉でも稚拙な外交交渉を繰り返している、と指摘。9月に岸田文雄外相がモスクワに行く必要はなかった、との見方を示した。

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2015年10月14日、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が「最近の日本外交」と題して時事通信ホールで講演(新聞通信調査会主催)した。首相官邸主導の外交は、ロシアとの北方領土交渉でも稚拙な外交交渉を繰り返している、と指摘。9月に岸田文雄外相がモスクワに行く必要はなかった、との見方を示した。発言要旨は次の通り。

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現在、日本の外交は首相官邸主導で行われているが、対ロシアでも外務省の専門家を使っていない。外交というのは、相手が譲歩してくればこちらも譲歩する、相手が強く出るというのが常道だが、日本の外交は不思議なところがある。相手が譲歩すると居丈高になって強く出る、相手が強く出ると引っ込んでしまう。これでは交渉にならない。ロシアとの北方領土交渉でも稚拙な外交交渉を繰り返している。

9月に岸田文雄外相がモスクワに行く必要があったのか。岸田文雄外相とラブロフ露外相の会談は異常だった。会談後の共同記者会見後、立ち上がって握手を求めるラブロフ外相に対して、岸田外相は椅子に座り込んだまま、身動きがとれなかった。ようやく立ち上がって握手に応じたものの、その表情は呆然としていた。記者会見で岸田外相が「ラブロフ大臣との間で領土問題について突っ込んだ議論を行った」と語ったが、ラブロフ外相は「北方領土は議論の対象ではない。議題にあるのは平和条約の締結だ」と否定した。今回の外相会談で、プーチン氏訪日に向けた具体的な前進はなかった。(八牧浩行)<完>



■筆者プロフィール:八牧浩行 1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。現在、日中経済文化促進会会長。Record China相談役・主筆。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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