2015年10月13日、韓国・中央日報は、韓国教育部がこのほど歴史教科書の国定化を決定したことを受け、韓国でこれまで顕在化しにくかった「史観」をめぐる与野党の対立が激化していると伝えた。こうした中、最大野党の議員が国定教科書を「安倍教科書、クーデター教科書」と批判し、注目を集めている。

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11日、韓国教育部は中学・高校の歴史教科書を体系的に整備し、17年度から「正しい歴史教科書」との名称で国定教科書を導入する方針を明らかにした。これに対し野党からは「親日教科書」、「政権のオーダーメード」などの批判が相次いだ。

新政治民主連合の鄭清来（チョン・チョンレ）最高委員は、国定教科書はドイツのナチス政権、日本の軍国主義時代、韓国の朴正煕（パク・チョンヒ）政権の独裁体制下で発行されていたとして、今回の国定化により、侵略を否定し歴史を歪曲（わいきょく）する「安倍（晋三）政権に対し謝罪を求めることができなくなる」と主張した。

韓国では金大中（キム・デジュン）政権下の02年に現在の教科書検定制が導入されており、今回再び持ち上がった国定化の話題には韓国中で議論が巻き起こっている。今回の報道には、韓国のネットユーザーから次のようなコメントが寄せられた。

「歴史に政治が介入することは許されない」

「正しい教科書だって？朴正煕は国民の人権を踏みにじり、国を自分勝手に動かした独裁者だった。歴史は変えられない」

「朴槿恵（パク・クネ）は自分の思うままにしようとしている。独裁には反対！歴史をきちんと正しく教えて」

「安倍を悪く言えない。我田引水だ」

「歴史は、苦い物は苦く、甘い物は甘く記してこそ教訓になり、国が発展する」

「この国は70年代に戻るのか」

「今回ばかりは野党を支持する」

「国定教科書は過去の洗濯教科書。朴槿恵が父親（朴正煕）を英雄化するような教科書だ」

「国民世論を完全に無視したね。やるなと言うことを勝手に進めるなんて、父親がやったことそのままだよ」

「『安倍教科書』はなくすべき。これでは韓国政府が日本の安倍政権を批判できなくなる。同じように、歴史を歪曲して教えるんだから」（翻訳・編集/和氣）