2015年8月30日、急激な発展を遂げた中国の都市部では近年、そのひずみによって生まれたさまざまな負の現象がみられる。中国の総合誌・新週刊は「毅然とした立場、鮮明な視点を持つことがわれわれの都市をさらに美しいものにする前提条件だ」として、中国の都市部における10の負の遺産を列挙した。

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1）古き良き街並みをないがしろにした

歴史的にも文化的にも芸術的にも価値の高い建築や街並みの数々を開発の名のもとに一気に破壊した。

2）地方色に欠ける、クローンのように似通った都市づくりをした

その土地の風土や文化に即した街づくりに注力せず、ただ機械的に開発した結果、どの都市に行っても同じチェーン展開の飲食店やホテルが建ち並び、建物の衣装も景観も似たり寄ったりとなった。

3）奇抜なランドマーク建築を乱立させた

その特色を失った都市にとってつけたように建てた各都市のランドマーク建築は、機能性を無視した奇抜な意匠が目立つばかりで、歴史的にも文化的にもその都市の象徴を担うには役不足だ。

4）むやみに高層建築を建てた

高層建築が現代化の象徴とばかりに高さを競う建造物ばかりを建てた。狭い土地に建てて利益を生むには、高さを上げるしかなかった事情もある。

5）盲目的に国際化を追究した

都市それぞれに見合った規模を想定せず、市外からの就業人口流入や国外からの投資を過大に期待して開発した結果、多くの都市が箱だけ立派になり中身が空っぽという事態を招いた。

6）都市環境を息詰まるような住みにくいものにした

良好な居住環境を形成するにあたり、環境汚染の防止と環境保護、都市のイメージづくり、規範や文化の確率など不可欠な要素を無視した結果、都市空間は心地よさやゆとりを失ったものになった。

7）都市景観全体を考慮しない無計画な建設計画に走った

都市の景観は全体のバランスがとれてこその美観だが、これも考えに入れなかった。個々が目先のことばかり考え、周囲を省みない態度で行った街づくりは、俯瞰してみたら調和とは無縁の一匹狼の寄せ集めとなった。

8）永遠に途切れない交通渋滞を招いた

道路建設が乗用車の増加速度に追いつかない状態は、市内各地にいくら陸橋や高速道路を上積みしても慢性の渋滞を解決するに至らない。

9）インチキくさい “伝統風”建築が横行した

伝統的な景観を失った都市に今さらテキトウな復古建築を継ぎ足しても、まったく含蓄のない薄っぺらなものばかりで、都市景観から完全に浮いてしまっている。

10）都市間で無意味な背比べを続けた

各地方都市が張り合うあまり、豪華さや派手さばかりに気をとられて外面ばかりは立派になったが、バリアフリーやエコロジーなどの「市民にやさしい」都市機能は置き去りにされた。（翻訳・編集/愛玉）