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10月3日、ベルギーで起きた「デスノート」に触発された猟奇殺人とみられる事件が世間を騒がせている。中国では、当局が青少年への悪影響を懸念して今年5月に同書が発禁処分と報じられたが、その後も違法販売の摘発が跡を絶たない。資料写真。
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2007年10月3日、ベルギーで起きた「デスノート」に触発された猟奇殺人とみられる事件が世間を騒がせている。中国では、当局が青少年への悪影響を懸念して今年5月には「デスノート」が発禁処分と報じられたが、現在も違法販売で摘発される業者が跡を絶たない。
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「デスノート」の発行元集英社は、中国にライセンスを付与しておらず、出回る「デスノート」関連商品はすべて海賊版である。先月16日、「廈門商報」が伝えたところによると、福建省アモイ市のとある書店が「デスノート」を違法に販売しているのを摘発され、37冊が押収された。当局は「掃黄打非」とスローガンを掲げ、過激な性描写や違法な出版物に対し引き続き取締りを強化しており、中国版「デスノート」の存在は二重の罪に問われている。
先月26日、中央政府は公式ウェブサイト上に新聞出版総署が健全な風紀の育成をテーマとした大会を開いた旨掲載した。その文中には「デスノート」の語が登場し「恐怖系非合法出版物」に分類されている。当局が今も頭を悩ませていることが伺える。今年の6月の調べでは、押収された各種違法出版物は全国で合わせて6739.2万件で、海賊版の出版物は6033万件であった。1.4万件が調査され、刑事事件として処理した案件は328件、91件が解決し、270人が処罰された。
かろうじて「デスノート」に触発された殺人事件は発生していないものの、「デスノートごっこ」が青少年、特に小中学生の間で一時期大流行を見せ、大きな社会問題となった。また、それにともない珍事件も発生した。
今年5月、甘粛省蘭州市の文化査察隊が電話を受け取ると、「オレは死に神だ、デスノートの取り締まりを止めないとおまえらを呪い殺すぞ!」という事件があった。声の主はまだあどけない子どもだったが、青少年への強い悪影響が浮き彫りとなった。(翻訳・編集/YO)