日中の大学生、第2次世界大戦に対する見方が異なる―中国メディア

Record China    2015年8月16日(日) 15時33分

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14日、中国人民抗日戦争勝利70周年を迎えた今年、「日中関係」がホットワードとなっている。

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2015年8月14日、中国人民抗日戦争勝利70周年を迎えた今年、「日中関係」がホットワードとなっている。日本の若者は、日本の中国に対する侵略戦争や中国に対して、どのような見方を抱いているのだろう?中国人留学生や中国人記者から見て、日本の若者の見方は、日中関係にどのような影響を与えているのだろう?筆者はこのほど、早稲田大学の大学院生と同大学の中国人留学生を取材した。新華網が報じた。

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▼日本の若者

Q:日本の歴史教科書は、どのように日本の中国に対する侵略戦争を紹介しているのか?

日本の中国に対する戦争は、日本の教科書では「日中戦争」と呼ばれ、その善し悪しを論評したり、評価したりすることもなく、ニュース報道のような言葉づかいで紹介している。中国だけでなく、歴史の教科書に出てくる他の国に対しても同じ扱いだ。

Q:中学で日本の中国に対する侵略戦争の歴史を勉強した時、教師や教科書が、日本が戦争を始めた理由を説明したか?その時、この戦争の理不尽さについて考えたか?

歴史の教科書では、戦争を起こした理由について、「1923年ごろ、関東大震災(M7.9)が起こり、日本は大きな打撃を受けた。封鎖された経済状態から、国全体が大不況に陥ったため、植民地主義による経済発展計画を立てた」と書かれていたと思う。2つ目の質問に関しては、過去の歴史で、以前に起きた事として学んでいるだけなので、何とも言えない。

Q:日中関係が悪いと感じるようになったのはいつか?

中学生のころだと思う。当時は小泉内閣で、靖国神社の問題をめぐって、メディアが、食品問題や環境問題など、中国に対してマイナスのイメージを抱かせる報道をたくさんしていた。メディアでは、中国の悪いニュースしか見ないため、偏見を抱くようになった。その後、中国に行く機会があり、現実は異なることを知った。

Q:中国に行ったのは旅行だったか?自分の目で中国を見てどのように感じたか?

旅行だけでなく、2011年には、交換留学で復旦大学上海)に通うことになり、中国に1年滞在した。その時、本当の中国や中国人に触れ、メディアで報道されているのとは大きく異なることに少しずつ気付くようになった。中国人の性格はとても明るく、交流しやすい。ある時、地下鉄で本を見ながら中国語の勉強をしていたら、隣に座っていたおばあさんに「日本人じゃない?」と聞かれた。似たような経験がたくさんある。例えば、タクシーに乗ると、すぐに「日本人?」と聞かれ、その後もずっとしゃべっていた。中国人は交流欲がとても強いと思う。貴ぶべき性格。一方の日本人の性格は内向的でおとなしい。

Q:「交流」という言葉が出たが、近年、日中の友好団体が「対話」などの、交流活動を数多く行ってきた。それでも、日中関係はあまり改善されていないことについて、どう思うか?

私の言った「交流」とは、決して「形式」のようなものではなく、私のような庶民である日本人と中国人が話をすること。例えば、さっき話した地下鉄やタクシーでのエピソードのような。タブーを打ち破り、相手を否定するのではなく、意見を交換することが、今特に必要だと思う。現在、日中両国が最も必要としているのは、個人と個人という最もシンプルな交流の機会をできるだけ多く作ることだと思う。

▼中国人留学生

Q:日本人の友人と、日中関係や第2次世界大戦に関する歴史について話すことはあるか?

日本の中国に対する侵略戦争は、授業でも頻繁に出てくるので、日本人学生と話し合う機会がある。授業では、研究という観点から考えるため、両者共に、ナショナリズムが問題になることはない。単に歴史の研究方法を話し合う。

Q:授業以外ではどうか?日本の中国侵略の歴史に触れると、日本人の友人は怒るか?

授業以外で友人と集まっても、戦争が話題になることはない。育った環境も違うし、お互い知識が偏っていると思う。だから、相手の民族感情に触れるようなことは話題にしない。

▼新華国際東京駐在記者の藍建中(ラン・ジエンジョン)氏

今回の日本人大学院生の考え方は、温和である日本人の一般的な見方。保守的勢力のように侵略戦争を美化することもないが、戦争の真相に迫ろうともしない。今の多くの若者にとって、戦争は既に昔のことで、自分とは関係がない。戦後に生まれた世代の多くは、戦争についてぼんやりとしか知らない。

日本には、「臭い物にふたをする」ということわざがある。戦争のことを話題にすると、日本人は通常、嫌がる。日本の多くの平和的勢力も戦争は非常に残忍で、絶対に再び起こしてはいけないと考えている。しかし、そのような考えは、自身の被害体験に基づいており、日本が起こした侵略戦争に対する反省からではない。

戦後70年間、日本社会で、戦争に対する共通の認識が形成されることはなかった。つまり、集団的反省もない。また、日本社会が日に日に保守化している今、戦争を美化する傾向が一層強まっている。日中において、歴史に対する認識が違うというのは、おそらく今後も避けられないだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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