日本人教授「日本が中国を研究することは宿命」、発言の深い意味とは?―中国メディア

Record China    2015年8月1日(土) 14時20分

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30日、早稲田大学の名誉教授で、著名な中国学者でもある毛利和子教授はかつて、日本の社会科学にとっての中国研究は「宿命」だと語った。資料写真。

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2015年7月30日、早稲田大学の名誉教授で、著名な中国学者でもある毛利和子教授はかつて、日本の社会科学にとっての中国研究は「宿命」だと語った。この言葉には深い意味が含まれている。

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「宿命」という言葉を用いて日本の中国研究をたとえるということは、中国文化が日本社会に対して大きな影響を与えていることと日本社会が中国文化に対して深く注視していることを極めて鮮やかに描写している。では、日本がこのように中国に関心を持っている理由は何なのか、どうして「宿命」として中国を研究するのか。答えは2つ。まず第一に日中の両国の間には遙か昔から文化交流の関係があり、この1点にがぎって言えば、頻繁に歴史解釈の問題で中国・韓国の国民の怒りを買ってきた日本の現首相である安倍晋三首相も「日本と中国の友好的な交流の歴史は非常に長く、このような古くから続く友好国関係は世界中でも珍しい」と認めている。2000年あまりの中国、日本間の長い付き合いの中で、日本人は古くから知らずしらずのうちに中国文明を自分の文化の一部としてみなしていた。第二に、中国と日本は隣人関係にあり、両国の間には「一衣帯水」という言葉にたとえられるほど、お互いの地理的距離が近く、何が起こったとしても、代々付き合いをしてきた「隣人」に変わりはなく、自然に「宿命」という関係になる。

しかし実際のところ、日本が中国文化を研究する最大の原動力は、自身のニーズによるものである。日本の著名な歴史学者である井上清氏は「古い時代の日本は熱心に中国文化を勉強し、それを導入し、研究していた。唐の時代のものであれば、何でも即座に伝来させる。――これは『日本が唐の時代の文明国家に劣らない』と人にわからせるための目論みである」と語っている。近代に入り、日本はもう中国からは学ばなくなり、『脱亜入欧』をスローガンとして唱え、明治維新後はさらに中国を「悪友」とみなし、軍国主義の道をひた走り、侵略戦争を引き起こした。

80年代以降、中国の経済発展が順調に軌道に乗り、それにつれて日本には中国研究ブームが出現してきた。この研究ブームについて言えば、研究者が極めて大きな熱意を示せば、日本政府も大きなサポートをし、ややもすれば何億円という研究資金を援助する。最近の日本政府がサポートする大きな研究テーマは「現代中国の学際的研究」である。どのように新しい大国を把握するのか?例として挙げると、このテーマは8つ研究機関が共同で進めており、政治、経済、外交、環境などの角度から現代中国において多角的な分析を行なっている。変化の中にある中国による世界情勢に対する、またアジア情勢に対する影響力を理解すること、それが日本政府また研究界が中国の研究を押し進める真の原動力である。

以上のように、古代から現代までの各時代を問わず、日本が中国を研究する真の原動力は自身のニーズによるものであり、そのおおもとは国益のためである。古代の日本が中国の文化を研究したのは中国文明をもってして日本社会の進歩と発展を推し進めたいと考えたからであり、現代の日本が中国問題を研究するのは、巨大な変化を遂げる中国の世界情勢、アジア情勢への影響力、またかつてアジアを支配した日本にどのような影響があるのかということに関心を示しているからである。東京大学名誉教授である溝口雄三教授は代表著書「方法としての中国」の中で、日本人が中国研究を行うことは、中国を方法とみなし、参照とし、日本文化の特質を証明するためにあると鋭く分析している。(提供/人民網日本語版・翻訳/JK・編集/武藤)

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