五輪メイン競技場建設費、北京は賃金が低くロンドンは仮設部分が多いので比較できない=混乱の責任は全体で―森喜朗・東京五輪組織委員長

八牧浩行    2015年7月22日(水) 19時40分

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22日、東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相は記者会見し、新国立競技場の建築計画が白紙に戻った問題について「大変迷惑している。組織委員会が作るわけではない」と指摘。責任問題について「機構上の問題であり、全体で負わなければならない」と強調した。

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2015年7月22日、2020年の東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相は、日本記者クラブで記者会見し、新国立競技場の建築計画が白紙に戻った問題について「大変迷惑している。組織委員会が作るわけではない」と不満を露わにした。混乱を招いたことに対する責任問題については、「機構上の問題であり、責任は全体で負わなければならない」と強調。北京五輪やロンドン五輪のメイン競技場の建設費は1000億円以内に収まったとの指摘に対しては「北京は労働者の賃金が安く、ロンドンは仮設部分が多く、サッカー競技場に転用された。一概に比べられない」と反論した。

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(新国立競技場の建築計画を巡って紛糾した問題について)大変迷惑している。組織委員会が作るわけでもなければ、ああしてくれこうしてくれというものでもない。競技場を作るのは国で、都が協力することになっている。

(自身が日本ラグビー協会会長も務めていたため、新国立競技場を19年に行われるラグビーW杯に間に合わせるために無理をしたと報じられたことに)19年というのはプレオリンピックがある。だからそっちの方が大事である。ラグビーW杯の決勝戦や開幕戦の会場は当初横浜の日産スタジアムで申請して了解を得ていた。その後東京五輪、新国立競技場のプランが浮上し、ラグビーも間に合わせればいい、入れてやればいいと後から誘われた。組織委員会は競技場を作ったり運営したりする役割ではなく、間違えて報道されることがあって、決して愉快な話ではない。

北京五輪やロンドン五輪は1000億円以内でメイン競技場を建設したと言われる。北京は労働者の賃金が安く、ロンドンは仮設部分が多く、サッカー競技場に転用された。一概に比べられないのではないか。

(今回の混乱の責任問題について)日本スポーツ振興センターや文部科学省などはこれほど大きなプロジェクトを扱ったことはなかったと思う。機構上の問題であり、責任は全体で負わなければならない。今後遠藤利明五輪担当大臣を座長に首相官邸が責任を持って取り組んでもらいたい。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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