沖縄の「孔子廟訴訟」、宗教施設それとも歴史施設?中国メディアも伝える―共産党機関紙海外版

Record China    2015年7月21日(火) 20時21分

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20日、儒教の創始者である孔子を祭る「孔子廟」を建設する問題をめぐって、翁長雄志沖縄県知事を相手どった住民訴訟が行われている件について、中国の共産党系メディアがこれを取り上げた。写真は山東省曲阜市の孔子廟。

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2015年7月20日、儒教の創始者である孔子を祭る「孔子廟」を建設する問題をめぐって、翁長雄志沖縄県知事を相手どった住民訴訟が行われている件について、中国の共産党系メディアがこれを取り上げた。共産党機関紙・人民日報の海外版である「環球時報」が、日本メディアの報道や在日識者の見解を紹介している。

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いわゆる「孔子廟訴訟」は14年5月、那覇市民が翁長雄志那覇市長(当時)らを相手どり、那覇地裁に提起したもの。那覇市が特定団体に対して松山公園の一部を無償で貸し出し、孔子廟の設置を許可したことに対し、これを「憲法の定める政教分離の原則に反するもの」と主張している。孔子は儒教の創始者であり、孔子廟は宗教施設であるとの見解からだ。しかし、孔子廟を運営・管理する久米崇聖会は提訴を受けて、「孔子廟は宗教施設ではなく、歴史施設だ」と反論している。

環球時報の記事は、「単なる一般的な訴訟が『孔子』『中華文化』などのキーワードと結び付けられることによって、日本の右派メディアがこれを利用し、扇情的に報道している」と紹介した。日本の一部メディアが孔子廟訴訟について「沖縄の中国化」「那覇市に中華街出現」などと報じていることについて、「沖縄の歴史をひも解いてみよう」としている。

記事によると、琉球王朝時代の沖縄は儒教文化の影響を深く受けていた。1676年には久米村(現在の那覇市久米)に孔子廟が建てられたが、ここには「明倫堂」という教育施設が併設され、琉球王朝初の王立学校となっている。現在でも毎年、盛大な孔子生誕祭が行われており、現地の重要な文化として継承されている。戦後の歴代県知事と那覇市長もこれに出席している。

長崎の孔子廟が調べたところによると、日本国内には14カ所の孔子廟がある。それぞれの名称は異なるが、基本的にはいわゆる「廟学合一」という廟と学校の複合施設となっている。ほぼすべての孔子廟に中国建築の要素は見られるものの、日本建築との折衷も進んでおり、他の要素でも現地化が進んでいる。同記事はつまり、孔子廟は単なる宗教施設でもなければ、純粋な中国の施設でもないと説いている。(翻訳・編集/愛玉)

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