日本のニューエコノミー成長戦略は「有名無実」か―中国紙

Record China    2015年7月13日(月) 7時20分

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10日、「日本再興戦略 改訂2015(ニューエコノミー成長戦略)」と「経済財政運営と改革の基本方針2015:経済再生なくして財政健全化なし」がこのほど、日本の閣議で決定した。写真は東京。

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2015年7月10日、「日本再興戦略 改訂2015(ニューエコノミー成長戦略)」と「経済財政運営と改革の基本方針2015:経済再生なくして財政健全化なし」がこのほど、日本の閣議で決定した。同戦略では、人口減少に対応するため、ITの強化と人材育成によって生産力を高め、経済の急成長と財政再建を実現することが目標に据えられた。経済日報が伝えた。

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今回、日本政府が打ち出したニューエコノミー成長戦略は、昨年発表された「日本再興戦略」の改定版で、「産業再興プラン」「戦略市場創造プラン」「国際展開戦略」の3大アクションプランで構成されている。具体的内容は、「企業の経営戦略強化」「職業教育など高等教育機関の革新」「海外IT人材の導入」「健康・医療関連産業の発展」「農林水産食品の輸出拡大」「外国人観光客による観光消費4兆円目標の達成」「アジア開発銀行との提携による、5年以内で1100億ドルの高品質インフラ投資の実現」など。日本の指導層は、これらの内容について、「設備と人材投資を促進し、サービス業の生産効率を高め、技術革新によって生産性革命を実現する」と総括している。

経済財政運営と改革の基本方針によると、2020年度までに基礎的財政収支(PB)の黒字化を実現し、債務ではなく税収増に頼る健全な財政運営を実現する。このために、日本は、PB(対GDP)比を2015年のマイナス3.3%から2018年までにマイナス1%に引き下げ、名目GDP成長率を3%(実質2%)以上とし、それによって税収増を実現し、最終的には財政再建を実現させなければならない。

経済成長戦略は、アベノミクスの核心といえよう。だが、日本のニューエコノミー成長戦略の内容を見る限り、その政策骨子は、形ばかりで実質的な内容が伴っていないと思われる。

まず、政策は、形ばかりで実行性に乏しいものが多い。技術革新の促進、産業生産性やコア競争力の向上などは、当然、経済振興にとっての王道である。だが、「年末までにベンチャー投資企業支援政策の進行チャートを制定する」「年末までに協議会を立ち上げ、ビッグデータ・人工知能による産業構造・就業構造変革など新テーマの課題解決に取り組む」「国家戦略特区を活用した近未来技術実証を速やかに行うための制度改革等の検討を行う」などのさまざまな計画はいずれも、今後の検討課題として、関連省庁の大臣に委ねられ、実質的な進展効果は、今のところ予測できない。

次に、新戦略は、経済発展と政治の安全という重要ポイントから大きく逸れている。他の問題が顕著化することによる与野党の対立を避けるため、また、安全保障法案の通過に有利な条件を整えるため、日本政府が昨年提出した「農協改革関連法案」や「農地利用促進のための財政改革関連法案」はいずれも、今期国会の重点が安保法案をめぐる審議であったことから、自民党によって棚上げされた。現時点で、昨年の改革目標は、まだ達成に至っていない。

さらに、基本方針における健全なる財政計画は、2020年度までに財政収支黒字化を実現するという目標を堅持しているが、財政支出額の上限は設けられておらず、基本的には大まかな「目標」に過ぎない。また、GDP実質成長率2%という楽観的見通しによってもたらされる税収増を前提としたプランは、2017年4月の消費税再増税に伴うダメージを一切視野に入れていない。

最後に、特に注目すべきは、第二次大戦後のベビーブーム世代が2020年を過ぎると75歳になり、「後期高齢者」になる点だ。これにより、年金・医療・介護など各種社会保障の負担がいっそう重くなり、財政支出に大きな圧力がもたらされる。日本の国家と地方政府の債務残高はGDPの2倍に相当し、財政破たんに陥ったギリシャよりはるかに深刻な状況にある。これらの問題に直面しているにもかかわらず、健全な財政計画に対する具体的な政策に不足しおり、将来的な実施・執行の効果は、はなはだ疑わしい。

専門家は、「経済成長と健全な財政収支への道は、日本にとって極めて遠い道のりだ。アベノミクスが最終的にどのような結果で終わるのか、日本の企業家や国民の心の底では、それに対する懸念や恐れが、ずっとくすぶり続けるであろう」と指摘した。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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