日米豪は3カ国同盟を結びたがっているが、中国の存在が障害になっている―安全保障問題専門家

Record China    2015年7月11日(土) 8時27分

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9日、人民日報(電子版)は5日から始まった米国とオーストラリアの合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に陸上自衛隊が初めて参加したことについて、「日米豪3カ国同盟の確立には中国の存在など一定の障害がある」との専門家の見解を紹介した。

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2015年7月9日、人民日報(電子版)は5日から始まった米国オーストラリアの合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に陸上自衛隊が初めて参加したことについて、「日米豪3カ国同盟の確立には中国の存在など一定の障害がある」との専門家の見解を紹介した。

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米軍とオーストラリア軍の合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に、日本の陸上自衛隊とニュージーランド軍が初めて加わり、4カ国から合計3万人以上が参加してオーストラリア北部ダーウィンなどで演習が行われている。

日本の軍事演習参加について、中国国際問題研究院戦略研究所の蘇暁輝(スー・シャオフイ)副所長は「地域の安全保障に全面的に参与したいという日本の目標を反映している。一方で、日米豪は3カ国同盟を確立したいとの願いを抱いているが、実現にはまだ障害が存在する」と語った。また、豪ディーキン大学のアジア・太平洋安全保障問題専門家クレイグ・スナイダー氏は「安倍政権がアジア地域の安全保障への関与を高めたがっていることが背景にある」と指摘する。

蘇副所長は「安倍首相は日頃、『積極的平和主義』という言葉を使用するが、この言葉は『消極的平和主義』と相反する言葉。消極的平和主義は日本の非軍事化を通じて地域や世界の平和を維持する意味であると認識されてきた。一方、現在の日本においては、消極的平和主義は過去の概念であり、日本の非軍事化だけでは世界平和を維持することができないため、日本は積極的平和主義の概念を取り入れるべきであると認識されている」とし、「これは、日本がより多くの地域で安全保障に関して機能を発揮しなければならないことを意味する。近年、日本はさまざまな手段を通じて防衛能力を高めようとしており、他国との合同演習の実施もその1つだ」と語った。

さらに、「日米豪3カ国同盟はまだ成立していないが、相互に接近する方向にある」と指摘。その理由として、米国のアジア回帰戦略やアジア地域における経済秩序の掌握などを挙げ、「日本とオーストラリアは米国の重要なパートナーであり、3カ国による同盟が成立すれば、米国の戦略的利益とも合致する」と述べた。

ただし、「日米豪3カ国とも同盟となることを望んではいるものの、一定の障害も存在する」と指摘。「日本とオーストラリア国内には米国との3カ国同盟に反対する声が依然としてあり、その背景の重要な要素の1つとして経済大国となった中国の存在がある」と語った。(翻訳・編集/秋田)

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