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21日、映画やドラマの題材が多様化する中国で、外国人タレントの需要が高まっている。しかし、その活動状況はまだ黎明期だ。中国の大手ポータルサイトは、国内で活躍する数少ない外国出身の芸能人を紹介した。第3回は、オーストラリア人歌手・ジャンナン(右端)。
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2015年5月21日、映画やドラマの題材が多様化する中国で、外国人タレントの需要が徐々に高まっている。しかし、その活動状況はまだまだ黎明期で、多くの人材が苦労を重ねている。中国の大手ポータルサイト・網易(NETEASE)は「中国で活動する外国人タレントの生存報告」との特集を組み、国内で活躍する数少ない外国出身の芸能人について紹介した。第3回は、オーストラリア人歌手・ジャンナン(江南)。
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「中国各地どこへでも仕事をするために飛んで行った。でも、そのどこもじっくりと見て回ったことはないのが残念」。
幼少時から熱烈な中国文化への憧れを抱いていた少女が、人生で欲しいもののすべてを中国でつかんだ。彼女の夢は3つ。「世界を見たい。ただの観光ではなく、どこかに定住してその地のことを深く知りたい」「舞台に立つ仕事をしたい」「何か意義のあることをする人生にしたい」。前回までに紹介した2人は、何かの巡り合わせで偶然に中国の地を踏んでいるが、彼女は自分自身の意志でこの地にやってきた。
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、3歳のジャンナンはテレビで見た「西遊記」に心奪われ、海の向こうのミステリアスな中国を夢見て育った。大学でももちろん、中国語を専攻。卒業後はすぐに渡中し、5年後には中国人男性と結婚。「完全なる中国人のお嫁さん」を目指してこの地に骨をうずめる覚悟が固まった。歌手としての下積みを経て、世界五大陸出身の女性5人からなるユニット「五洲辣妹楽団」に加入したのも、ひょんな巡り合わせからだった。そして、中国・フランス・カナダ・ウガンダ出身の女性たちと各地を公演してまわる生活に入った(※注:現在、カナダ人メンバーは脱退)。
しかし、その芸能生活は非常にハードなもので、「完全なる中国人のお嫁さん」との両立は困難を極める。早朝に自宅を出発して車や飛行機に数時間揺られ、公演先に着くと休む間もなくヘアメイクを仕上げてステージに立つ。その夜のうちに数時間かけて次の移動先へ飛び、翌日も同じようにステージに立つ。仕事はこの繰り返しだ。事務所との契約は月給制ではないので、ステージに立った回数分だけのギャラが手に入る。「中国各地、どこへでも行ったけど、そのどこもじっくりと見て回ったことはない」「この仕事はとても不安定なもの」と、不満もこぼれる。
夢を実現したはずの苦しい生活の中でも、大きな喜びもある。現在、ジャンナンはアフリカ輸出向けの多数の中国ドラマで英語のアフレコを担当している。中国人なら誰もが知る人気作品ばかりだが、中でも「西遊記」の役をもらえたことは、幼いころからの夢が帰結した瞬間だった。(翻訳・編集/愛玉)
■ジャンナン(江南)
1986年、豪州生まれ。大学卒業と同時に中国に渡り、バーやカフェでホールスタッフとして働きながら店のステージにも立つという下積み生活を重ねる。2011年8月、世界五大陸出身の女性5人からなるユニット「五洲辣妹楽団」に加入。ユニットは2012年8月、中国国営局・中央テレビ(CCTV)の人気オーディション番組「星光大道」で月間グランプリを獲得する。
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