大阪船場に関西最大の免税店「丸屋免税店」がオープン、訪日外国人客呼びこむ=“爆買い”に対応―中国政府系の道紀忠華シンクタンクと提携

八牧浩行    2015年6月1日(月) 13時30分

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1日、総合衣料卸売業のプロルート丸光は、新たに訪日外国人旅行者に対する免税販売小売事業をスタートさせ、大阪本店に「丸屋免税店」をオープンした。道紀忠華シンクタンクと業務提携、中国人をはじめとする訪日外国人旅行者を誘致する。写真はオープンセレモニー。

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2015年6月1日、総合衣料卸売業のプロルート丸光(本社・大阪市中央区、安田康一社長)は、新たに訪日外国人旅行者に対する免税販売小売事業をスタートさせ、大阪本店に「丸屋免税店」をグランドオープンした。創業115周年事業の一環で、中国政府系の道紀忠華シンクタンク(本部・北京市、日本支社・東京都千代田区、後藤錦隆代表)と業務提携契約を締結、同シンクタンクが訪日外国人旅行者の誘致をはじめ、免税店運営に全面的協力する。

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2階の免税品売場の面積は 約1000平方メートルで、一般免税店として関西最大。主な取扱商品は宝飾品、腕時計、電化製品、化粧品、衣料品、家庭用品、医薬品、健康食品、日用品、伝統工芸品、菓子類など。12階に、160人が一度に食事のできる免税店用レストランを創設。食事から買物までワンストップで楽しむことができるという。

プロルート丸光はすでに、香港中旅日本中国旅行社(香港)、上海東航国際旅行社有限公司(上海)、中国天鵝国際旅游公司(北京)の中国大手旅行社と業務提携を締結し、中国各地からの旅行団体の誘致を推進している。春秋航空をはじめとする航空会社とも連携。今後も有力旅行社との提携を拡大、ツアープランへの組み込みなどで旅行者誘致を図り、新たな収益基盤確立と大阪船場地域の一層の活性化に努めたいとしている。

同日、「丸屋免税店」のオープンを記念してセレモニーが開催され、同社の安田康一社長が挨拶、日本の歴史ある大型卸売業が経営する総合免税店として、中国人客をはじめとする訪日外国人旅行者の方々が安心して買物していただけるよう、価値ある日本製品を日本流サービスにて提供したい。日中民間レベルの交流を進め、日中友好の架け橋になることを願っている」と抱負を述べた。

道紀忠華シンクタンクの後藤錦隆代表は「昨今、多くの中国旅行者が日本を観光に訪れており、今年1年だけでも400万人を超す中国人が日本を訪れる見込みだ。その数は、中国人口のわずか0.3%であり、今後も飛躍的に増大するのは間違いない。中国人は買い物が大好きで、特に品質の良い日本製品には人気が高い。一方で、商品品質の問題、価格の問題など、様々な問題が発生しているのも事実であり、日本を訪れる中国の旅行者が安心し、満足して買い物をすることができるルートつくりは、道紀忠華シンクタンクの大きな課題の一つと認識をしている。民間交流を通して日中友好を図ることは、アジアや世界にとって大きなメリットにつながる」と語った。

2014年の訪日外国人客数は1341万人となり、年間最多を記録した13年の1036万人を大きく上回った。伸び率が最も高かったのは中国で、前年の2倍近い241万人に達した。円安により訪日観光の割安となっているほか、LCC(低運賃航空会社)航空便の就航・増便やクルーズ船の寄港が増えたことが要因となった。

今年に入ってもこの傾向がさらに顕著になり、4月の訪日外国人客数は、前年同月比43%増の176万4000人で、初めて単月として170万人を突破した。中国は、前年同月比2.1倍(113%増)の40万5800人と、国別で史上初めて単月で40万人超となった。3月末から南方航空の広州−大阪便が1日2便に、広州−福岡便が再開したことも追い風となった。国別では中国に次いで、台湾33万5100万人(前年同月比30%増)、韓国30万4600人(同57%増)、香港11万9600人(同51%増)の順。

夏休みシーズンに向けては、現在の円安基調に加え、東アジア、東南アジア、北米の夏ダイヤへの移行に伴う航空路線の新規就航や増便、燃油サーチャージ引き下げ等も、訪日需要を押し上げる要因になるものとみられ、さらなる需要の拡大が期待される。(八牧)

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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