中国を生き延びる外国人タレント(2)「中国のクリス・ハート」―ナイジェリア人歌手・ハオディー

Record China    2015年6月2日(火) 13時26分

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21日、映画やドラマの題材が多様化する中国で、外国人タレントの需要が徐々に高まっている。しかし、その活動状況はまだ黎明期だ。中国の大手ポータルサイトは特集記事で、国内で活躍する数少ない外国出身の芸能人を紹介した。第2回は、ナイジェリア人歌手・ハオディー。

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2015年5月21日、映画やドラマの題材が多様化する中国で、外国人タレントの需要が徐々に高まっている。しかし、その活動状況はまだまだ黎明期で、多くの人材が苦労を重ねている。中国の大手ポータルサイト・網易(NETEASE)は「中国で活動する外国人タレントの生存報告」との特集を組み、国内で活躍する数少ない外国出身の芸能人について紹介した。第2回は、ナイジェリア人歌手・ハオディー。

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「もしも僕の顔を真っ白に塗りたくったとしても、誰も僕を中国人だと思わないだろ?」

ナイジェリア出身で漆黒の肌を持つ異色歌手・ハオディー(好弟)は、アフリカ系独特の艶のある歌声と抜群の歌唱力だけでなく、流ちょうな中国語を操り、中国人も顔負けの中国文化通だ。しかし、前出の彼自身の発言の通り、どんなに中国人になりきっても、容姿という壁が芸能活動を阻むことは否めなかった。

そんな彼の道を切り開いたのは、「紅歌」と呼ばれる共産党革命歌だ。動画サイトで最も多く閲覧された彼のパフォーマンスは、人民服風のファッションに身を包み、中国旗毛沢東像の前で歌う「毛主席的話兒記心上(毛首席のお言葉を心に留めて)」である。まさに中国人のツボに入る歌心を体得した彼の歌唱は多くの中国人を感動させ、いつしか彼は「紅歌王」と呼ばれるようになった。歌唱力のあるアフロ系、現地人の歌心を完全につかんでいる歌手と言えば、日本のクリス・ハートに位置づけは近いだろう。

牧師だった父の影響で、幼いころから教会で歌ってきた。兄も先にプロ歌手として活動をスタートしており、その影響で自然と歌手を志すようになった。しかし、歌に秀でる人材が掃いて捨てるほどいるという祖国の環境にあっては、歌手を職業として身を立てていくことは考えにくく、父親からは勘当同然で反対された。その後、先に中国に渡っていた兄に導かれて北京へやって来たハオディーは、外国人の集まるバーストリート・三里屯で英語の歌を歌いながら芽が出る日を待った。一方で、中国語や京劇や武術などの中国文化を徹底的に学び、歌手としての表現を磨く。収入もほとんどなく、生活に困窮した下積み時代。所属事務所のオフィスに中国人スタッフらと共に住みこみ、毎日卵チャーハンだけを食べて過ごす日々は、彼の中国語力を飛躍的に進歩させたという。

今年の目標は映画界進出。昨年からいくつかの端役で映画出演を果たしているが、その役どころは中国に出稼ぎにきた路上の物売りや、中国に嫁探しに来た男など、いずれもアフリカ人の役ばかり。彼自身は、西遊記の猪八戒が最も自分にふさわしい役どころではないかと考えている。「おしゃべりで人を笑わせるのが好きで、そんな僕には愛嬌(あいきょう)のある役がピッタリだと思う」。(翻訳・編集/愛玉)

■ハオディー(好弟)

1986年、リベリア生まれのナイジェリア国籍。父は牧師、母は看護士という家庭に育つ。2009年より中国在住。2011年、中国国営局・中央テレビ(CCTV)の人気オーディション番組「星光大道」で月間グランプリを獲得。番組内で結成された外国人ユニット「五洲唱響楽団」でメインボーカルを務める。

先に渡中していた8歳上の実兄も歌手で、同じく「星光大道」で2006年の年間準グランプリを受賞している。中国語に堪能で、中国文化にも精通している。

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