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「あまりにアホらしい、でも…」=日本で一番食べたいものが「タマゴボーロ」である理由―中国人学生

配信日時:2015年5月27日(水) 8時32分
「あまりにアホらしい、でも…」=日本で一番食べたいものが「タマゴボーロ」である理由―中国人学生
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日本の物づくりは、中国の人々の間でも高く評価されているものの一つである。日本人の実直さ、細部へのこだわりが中国ではなかなか見られないからだろう。北京外国語大学の李さんが、日本の物づくりについてつづっている。写真はたまご。
日本の物づくりは、中国の人々の間でも高く評価されているものの一つである。日本人の実直さ、細部へのこだわりが中国ではなかなか見られないからだろう。北京外国語大学の李欣●(リー・シンリー、●は「日」の下に「立」)さんは、竹田製菓のタマゴボーロに日本の物づくりの奥深さを感じたようだ。

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「日本に行って、食べたいものは何?」と聞かれると、広島風のお好み焼き、神戸ビーフのすき焼き、天然マグロの刺身、うな丼など、いっぱい答えるだろうが、もし一つしか選択できなければ、私は竹田製菓のタマゴボーロを選びたい。なぜなら、竹田製菓のタマゴボーロが不思議だから。

その不思議さにまつわる話を私はこのように聞いている。竹田製菓の経営者・竹田和平さんは、タマゴボーロを作るのに温めてもヒヨコにかえらないような質の悪く、安い卵を使わず、戦後の創業期から有精卵にこだわり続けてきたそうだ。そして、当時戦後間もない頃、お菓子の素材にこだわる人は誰一人いなかった。有精卵の価格は高いので、ライバル社は当然コストの低い卵を選ぶ。しかし、竹田さんだけは、もうけが少なくなっても、あえて質の良い有精卵を使い続けてきた。

そして、知らないうちにお客さんが多くなり、昭和40年には竹田製菓は60%以上のシェアを占めるようになったそうだ。「いや、それがね、もうけが多くなるから不思議なんです」とは竹田さんの言葉。そう。コストが高いのに、もうけがかえって多いのは本当に不思議なことだ。コストが低ければ低いほどもうかるのに、と多数の経営者は思うだろう。だから、経営者たちは脳みそを絞ってコストを削減することに努力している。安い原料を使用したり、作業手順を簡単にすると、多くの商品は故障しやすくなったり、寿命が短くなったり、使いにくくなったりする。もし、多くの経営者が竹田さんの経営理念を抱えているなら、商品市場の現状を改善できるだろう。

実は、竹田製菓には、素材にこだわるだけではなく、もう一つの秘訣がある。それは、小学生にも笑われるくらいの戦略だ。その戦略とは、工場でお菓子に「ありがとう」と言っているのだ。怒ったときに吐き出す息を袋に入れて中に蚊を入れると、その蚊は数分で死んでしまい、逆にニコニコ笑っている時の息では、蚊は長生きできるという面白い話がある。「素材にこだわるその先には、作っている人のニコニコ度にもこだわる時代が来る。作っている人たちの波動がモノに移るから」「1日に3000回『ありがとう』と言ってみなさい。人生は変わるから」。

会社の工場では「ありがとう、ありがとう」と24時間録音テープが流れる。こうすると、出荷するまで大体100万回の「ありがとう」がお菓子に入るそうだ。あまりにアホらしい話だが、ひょっとして何年後に、この戦略は物づくりのスタンダートになるかもしれない。小さなお菓子の裏に、このような素敵な話があるのは不思議だ。これは単なる口で味わう食べ物ではなく、心で楽しむものだ。日本に行ったら、私はきっと竹田製菓の心を込めたお菓子を味わいたい。(編集/北田

※本文は、第六回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「メイドインジャパンと中国人の生活」(段躍中編、日本僑報社、2010年)より、李欣●(●=「日」の下に「立」)さん(北京外国語大学)の作品「不思議なタマゴボーロ」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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