2015年5月24日（現地時間）に閉幕したばかりの第68回カンヌ国際映画祭で、“あくどい”までの手法で注目を浴びた中国人女優のドレス騒動。このドレスをデザインしたデザイナーが騒動後、「これこそファッション」と発言した。中国共産党機関紙・人民日報が伝えた。

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同映画祭のオープニングセレモニーが行われた13日。世界各国のトップ映画人が登場したレッドカーペットで失笑を浴びた中国人女優がいる。映画祭の出展作品に出演しているわけでもなければ女優として優れた代表作品もない、グラドル出身のヴィアン・チャン（張馨予）だ。彼女がこの日に着用していたドレスがかなり“微妙な感じ”だったため、各国メディアの関心を引くことに成功した。

ドレスは中国北部の伝統的な極彩色の花柄を全面にあしらった、目に痛いほどの派手なデザイン。 ロイター通信はそのドレス姿を報じつつも、彼女を「Unidentified guest」つまり「正体不明のゲスト」と紹介した。近年の国際映画祭の舞台では、世界的に名を知られたチャン・ツィイー（章子怡）やコン・リー（鞏俐）といった大物女優以外に、たいした作品出演歴もないのにレッドカーペットを歩く中国人女優が続々と出現。「売名行為」と批判されてきた。

このドレスをデザインしたのは、オランダ在住25年になる中国人デザイナー・胡社光（フー・ショーグアン）氏。オランダ王室の御用デザイナーで、女王のドレスをかつて12年近く担当したという。奇抜なファッションで知られる世界的なスター歌手・レディガガの衣装も手がけてきた。

今回、ドレスへの批判が集まっていることを受けて、「製作費もたかが数百元（約1万円前後）と安くて、制作期間もあっという間。そんな1着のドレスが世界中を揺り動かしたなら、これこそファッションと呼べるだろう？。私はそう思う」と発言した。ドレスのコンセプトについては、「ヴィアンが初めてカンヌの地を踏むに当たり、ありのままの自分でいるべきだと思った。彼女も僕も遊び心のある性格だし、いっそのこそ思い切り遊んでしまおうと思った」と語り、「ヴィアンは美しかったよ。中国テイスト満載のドレスを着て、カンヌのレッドカーペットを自信満々に歩く姿は、誰よりもイケてたと思う」と、その効果にかなり満足した様子。

ドレスの素材は実際、中国で一般的に流通している綿の既製品で、1メートル10元（約200円）余りのものだという。すべて手縫いの製作は2日で仕上がったという。胡氏は「コストじゃない。すべてはアイディアの勝利」と語り、インターネット上で集中砲火を浴びていることについては、「ほとんど見てない。誰の発言かもわからないものに目を通すなんて時間の無駄」としている。（翻訳・編集/愛玉）

※＜本日の中国TOPニュース＞では、中国の大手主要ポータルサイトによるニュースアクセスランキングから、注目の一記事をピックアップする。本記事は2015年5月25日付の中国大手ポータル・網易（NETEASE）のランキング4位の記事。