侮辱かユーモアか、華人を揶揄する米ドラマの広告が物議醸す―中国紙

Record China    2015年5月8日(金) 15時53分

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8日、フランス・パリの地下鉄で掲示されているある広告が、在仏華人や中国のネットで物議を醸している。写真はフランスの地下鉄。

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2015年5月8日、フランス・パリの地下鉄で掲示されているある広告が、在仏華人や中国のネットで物議を醸している。人差し指を前に突き出したスーツ姿の男性が、「乗車券をチェックされそうになったらこう言えばいい。『分からない。私は中国人だ』と」とアドバイスしてくる、というものだ。台詞にはご丁寧に中国語の発音まで添えられている。この広告に「華人への侮辱」などの声が上る一方、「単なる欧米のユーモアに過ぎない」という意見もある。環球時報が伝えた。

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問題になっているのは、米国動画配信の大手Netflixによるドラマ「ベター・コール・ソウル」の宣伝広告だ。Netflixは大成功したネットドラマ「ハウス・オブ・カード」に続き、皮肉とユーモア満載の新ドラマ「ベター・コール・ソウル」を制作した。主人公の憎めない悪徳弁護士ソウル・グッドマンをめぐる様々な物語が描かれる。視聴率を上げるため、Netflixは一連の「挑発的な広告」を掲示している。検札逃れの広告もその一つだ。

フランスの中国語ポータルサイト「新欧洲」は、華人コミュニティーの多種多様な反応をまとめて報じた。「これはあからさまな差別だ」との声が出る一方、反論する声も飛び出し、「実際に多くの同胞が検札逃れをしている。文句を言われてもしょうがない」とする意見もある。このほか、「心が弱すぎじゃない?ただの広告だろ」などの意見もあった。

記者がパリでこの広告について街頭調査を行ったところ、多くの回答者は「これは単なるニューモアに過ぎない。悪意はない」との意見を示した。パリ大学のある教員は「フランス人にとって、中国人、中国語は神秘的でわかりにくい。難解の代名詞とも言える。そのため、中国語を話すこと自体がユーモラスに感じられる」と語った。

フランス通信社(AFP)はこのほど、「Netflixは一連のユーモア、誇張且つ挑発的な手法によって、広告芸術を『革新』した」とコメントしている。報道によると、Netflixはこのほか、パリ市内に50バージョン以上の同ドラマの広告を掲示している。環球時報の記者は「私は中国人だ」というバージョンの他に、「いい事を教えよう。あっちの改札口では検札が少ないぞ」というバージョンも確認している。

これらの広告はターゲットによって内容も異なる。例えば、学校の校門の場合、ソウル・グッドマンは「試験が苦手なら、せめて頼りがいのある人の隣に座ろう」と助言。フランスのある雑誌に対しては、「新聞社のごみ箱はライバルの情報を手に入れる一番有効な道だ」とアドバイス。一般市民に対しては、「夫婦間のトラブル?ちょっとしたプレゼントは離婚よりお金がかからないだろう」と指摘する、といった具合だ。新欧洲は「これらの広告は地球上のほぼすべての人を揶揄するもの」と評している。

この一連の広告は、さまざまな議論を呼ぶ一方で、人々の目を引きつけていることも否定できない。「ソウル・グッドマンから一体どんな奥の手やユーモアが飛び出すのかを見てみたい」と語る人は多いようだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/XM・編集/武藤)

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