中国が「米国最大の債権者」の地位を放棄したのはなぜか―中国メディア

Record China    2015年4月30日(木) 19時29分

拡大

24日、中国と米国の関係を語る時、米国の漫画家が最も好む表現の仕方は、でっぷり太った中国の債権者(時には中国を代表するパンダ)が意気揚々とドアを叩き、ドアの向こうにはうらぶれた債務者のアンクル・サムが平身低頭した様子で控えているという図だ。資料写真。

(1 / 2 枚)

2015年4月24日、中国と米国の関係を語る時、米国の漫画家が最も好む表現の仕方は、でっぷり太った中国の債権者(時には中国を代表するパンダ)が意気揚々とドアを叩き、ドアの向こうにはうらぶれた債務者のアンクル・サムが平身低頭した様子で控えているという図だ。言外に意味するところは、米国は世界の中で胸を張って威張っているが、中国の前ではぺこぺこしているということだ。なぜなら、中国が米国にとって最大の債権者だったからだ。

その他の写真

米財務省がまとめたデータによると、中国の現在の米国債保有残高は1兆2237億ドル(約145兆5000億円)で、過去1年間に492億ドル(約5兆8500億円)減少した。一方、過去1年間に日本は136億ドル(約1兆6200億円)を買い増しして、現在の保有残高は1兆2244億ドル(約145兆6000億円)となり、中国に代わって最大の債権者になった。

▼中国の外貨準備に関する「不当な批判」

たとえば、インターネットでは常に誰かが中国を攻撃している。中国政府はかねてより米国債の購入を続け、これは「家来に与えるよりも、友好国に与えた方がいい」ということだ。米国債は利回りが低く、低利回りで米国人に金を貸すより、その分の米ドルを国内に持ち帰る方がよい。中国人みんなで分ければ、一人あたり数千ドルの割当になるというのだ。

数千ドルの割当は一見よいことに思えるが、批判する人は外貨準備とはどのようなものであるかを根本的に理解していない。外貨準備とは中央銀行が代理管理する域外の資産に過ぎないが、国内では中国人民銀行が人民元を発行して補償を与えている。つまり中国企業が100ドルを人民銀に売ると、人民銀から600元あまりの人民元を受け取って国内で使用することになる。米ドルが再び国に持ち帰られた場合、通貨を追加発行することになり、結果的にインフレを引き起こす可能性が出てくる。

▼米国債を売却したわけ

そこで外貨準備の問題では、2つの原則を確立しなければならない。第一に、外貨準備は一般的に国内に持ち帰って使用してはならないということだ。米ドルの割当を声高に叫ぶ人は、最低限の常識を欠いている。第二に、中国は「米国のワナ」から逃れる必要があり、米国債の購入にばかり資金を回してはならないということで、これは正確な見方だ。

中国が6カ月連続で米国債を売却していることに戻れば、実際には中国は「米国のワナ」からなんとか逃れようとしているのだ。一方で、中国は米国債以外への資産の分配を始めており、たとえば収益率の高い米国の証券を購入するなどしており、こうなると米国債を減らす必要が出てくる。また一方で、忘れてはならないのは、中国は海外投資を奨励し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、シルクロード基金、新興5カ国の銀行など一連の金融機関に出資しており、米ドルも必要だということだ。さらに、中国が米ドルを売却したことには、人民元レートの安定を維持するという狙いもある。

中国が6カ月連続で米国債を売却したことからわかるのは、中国が米国債から離れようとしていることだ。当然のことながらこれはゆっくりと進むプロセスであり、当分の間は、引き続き米国債(米連邦住宅抵当金庫のフレディ・マックとファニー・メイの債券を含む)が中国の外貨準備の中で最大の割合を占め、必要な場合には残高が増える。だが割合の低下が大きな流れだ。英国紙「フィナンシャル・タイムズ」の社説の中で、「いつかそのうち、太平洋の対岸が米国債の購入を迫られる大口の買い手ではなくなる。ワシントンはこうした事態に備えて準備をしっかり行う必要がある」と注意を促す。

これはつまりどういうことか。それは、新しい国際金融の局面が生まれつつあるということだ。米ドルの覇権はもはや長続きせず、人民元も世界の主要通貨の仲間入りをするようになるとみられるが、米国は米ドルの覇権を穏やかに放棄することできるだろうか。ニクソン大統領の時代に財務長官を務めたジョン・コナリー氏の、「米ドルは私たちの通貨だが、あなた方の問題だ」という名言を忘れてはならない。通貨戦争は必ずしも大きな騒ぎになるとは限らないのだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携