中国は「富裕層の富裕層による富裕層のための政府」、しかし肝心の富裕層は財産守るため国外脱出―米メディア

Record China    2015年4月23日(木) 17時24分

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22日、中国人富裕層の多くが投資移民によって国外脱出を図っている。写真は人民大会堂。

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2015年4月22日、米国営ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語サイトによると、中国人富裕層の多くが投資移民によって国外脱出を図っている。

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中国・グローバル化研究センターが発表した海外移住者に関する年度報告「中国国際移民報告(2015)」によると、中国の投資移民は2010年には8000人だったが、11年は1万2000人、12年は1万3000人と年々増加しており、12年の投資総額は約200億ドル(約2兆4000億円)に達した。

シドニー大学の社会問題専門家サルバトーレ・バボネス教授によると、中国は億万長者製造における世界最大の工場で、14年に世界で誕生した新たな億万長者は中国人が最も多い。しかし、中国人富裕層の多くがなぜ中国を離れるのかについての原因研究は少なく、その結論は教育や環境、食品の安全問題などに集中している。

バボネス教授は「富裕層が中国を離れる原因は自分たちの財産を守るためで、政府の腐敗撲滅運動の影響を心配しているからだ」とし、「多くの中国人の財産は違法なルートを通じて獲得したもの。中国にとどまれば刑務所に入れられる恐れもあるため、財産と共に何とかして安全な海外へ逃れようと考えている。そのため、海外のパスポートの入手をある種の保険と見なしている」と説明した。

一方、米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のニコラス・ペルシコ教授は、中国人富裕層の国外脱出は中国政府の現状を変化させるには至らず、富裕層も中国と完全に縁を切ることはできないと指摘。「富裕層の財源は中国であるため、多くは脱出には至らず、脱出したとしてもまた戻ってくる」と述べた。

バボネス教授は「中国の富裕層が大量に国外脱出を図っているが、中国の社会構造そのものがその富裕層を創り出している」と皮肉を込めて指摘。全国人民代表大会(全人代)の代表2964人は、“無償”で業務を担当している。なぜなら、彼らはお金に困っておらず、うち少なくとも106人は数十億ドル(数千億円)の個人資産を所有しているからだという。

バボネス教授は「リンカーンは『人民の人民による人民のための政治』を唱えたが、中国政府は『富裕層の富裕層による富裕層のための政府』だ」と指摘した。(翻訳・編集/秋田)

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