日本資本の一部、なぜ中国から撤退?―中国メディア

Record China    2015年4月11日(土) 23時55分

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8日、日本の時計メーカーのシチズンはこのほど、中国にある工場を閉鎖し、従業員を解雇することを明らかにした。このことがきっかけになって、メディアの間では中国から資本が大挙して逃げ出すのではないかとの懸念が高まっている。写真は東京。

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2015年4月8日、日本の時計メーカーのシチズンはこのほど、中国にある工場を閉鎖し、従業員を解雇することを明らかにした。このことがきっかけになって、メディアの間では中国から資本が大挙して逃げ出すのではないかとの懸念が高まっている。日本の経済専門家は、「これは一国の経済が一定のレベルに達し、産業がグレードアップしたことの必然的な結果であり、企業にとって当たり前の行為であって、過剰に心配する必要はない」との見方を示す。新華網が伝えた。

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これまでにパナソニック、シャープ、TDK、キャノン、ダイキン工業、無印良品など各社が、一部の海外工場の閉鎖を次々に決めたり検討したりしており、国内にある既存の生産能力を利用する、新たに設備を増やすなどして国内での生産の拡大をはかろうとしている。

中国から撤退した日本の主な産業は繊維・アパレル産業、軽工業、家電産業などのローテク産業または労働集約型産業だ。おまけに中国からの資本引き上げを決定した日本企業のほとんどが、完全な撤退ではなく調整を行うだけで、競争力が弱く利益の上がらない部門を引き上げるにとどまる。大企業で中国市場からの完全な撤退を宣言したところは1つもない。シチズンは中国工場の閉鎖を明らかにしたが、中国市場からの撤退は否定し、今後も中国での販売を積極的に拡大していきたい考えを示した。

また注意しなくてはならないのは、一部の日本資本が中国から撤退すると同時に、別の多くの日本資本が大挙して中国市場に参入しているという点だ。シチズンが中国工場を閉鎖したその頃、総合商社の伊藤忠が中国中信集団有限公司の子会社に巨額の出資を行うこと、同公司と提携して中国市場や新興国市場の開拓を進めることを明らかにした。

▼日本企業が撤退した3つの理由

一部の日本企業が中国から撤退し日本に回帰した主な原因は3つある。1つ目は、人件費の大幅上昇により企業の利益がほとんどなくなってしまったことだ。過去10年間に、中国の沿海の発達した地域では人件費が大幅に上昇して、雇用コストが大きくふくれあがった。日本の独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表した在中国の日本資本企業の賃金についての調査結果によると、対中投資を行う日本企業の1カ月あたりの平均賃金は米ドル建てで計算すると2倍にふくれあがったという。

2つ目は、円安により海外投資の魅力が薄くなってしまったことだ。12年末以降、安倍政権がデフレからの脱却をはかって、大規模な金融緩和策をうち出したため、円相場は値下がりが続いている。急激で大幅な円安は日本の経済にも貿易にも大きな影響を与えた。円が値上がりしている時には、日本企業の多くは海外の安価な労働力を利用し、円高の強みを生かして、海外で投資して工場を設立し、そこで作った製品を買い戻して日本国内で販売するというモデルで高い利益を上げていた。だが海外の人件費上昇や大幅な円安により、海外から輸入した一部製品の価格は円建てで計算すると日本国内で生産した場合よりも高くつくようになった。そこで日本企業の多くは海外の工場を引き上げて日本に回帰したか、回帰を検討している。

3つ目は、日本政府が優遇政策を打ち出して企業の国内回帰を奨励していることだ。安倍政権が昨年制定した「成長戦略」は地域経済の再生に力を入れ、企業が本社や工場を地方の中小都市に移転させることを奨励する。このための関連の奨励措置や税金の優遇政策も制定された。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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