東アジアで米中G2構造が成立しつつあり、日本の外交が問われている=中国のスタンス、「協調」か「強硬」か?―元国連報道官の植木上智大学教授

八牧浩行    2015年4月10日(金) 9時24分

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9日、 国連広報局に30年以上勤めた植木安弘・上智大学教授(写真左)が日本記者クラブで講演。「東アジアでは米国と中国が拮抗するようになっている」と指摘した上で、「G2と言えるような国際政治構造が成立しつつあり、日本の外交が問われている」と強調した。

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2015年4月9日、 国連広報局に30年以上勤めた植木安弘・上智大学教授が、「グローバル問題への対応と課題」と題して日本記者クラブで講演。「東アジアでは米国と中国が拮抗するようになっている」と指摘した上で、「G2と言えるような国際政治構造が成立しつつあり、日本の外交が問われている」と強調した。

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同教授はイラクで国連大量破壊兵器査察団報道官、東ティモールで政務官などを務めた。近著に『国連広報官に学ぶ 問題解決力の磨き方』(祥伝社刊)がある。 発言要旨は次の通り。

世界の政治構造は、第2次世界大戦後の2極が、ソ連解体に伴う冷戦終了によって米国を中心とした1極構造となり、それが今、次第に多極化の構造に変化しつつある。米国は対テロ戦争、アフガニスタンやイラクでの長期軍事介入、リーマンショックなどに見られる国内経済の低迷―などにより内向きになり、世界の政治経済のけん引力としての指導力が相対的に後退しつつある。

中国は世界第2の経済大国となった。経済成長率は鈍化したといっても7%台をキープしており、2%前後の米国の経済成長率と比べても、いずれ近い将来、米国を追い抜くと予測される。中国の当面の関心は必要な経済成長を持続させるための資源外交である。そのためグローバルな資源獲得に奔走、南シナ海で軍事力を動員して、領有権の主張や資源探査を強化している。今後、中国がどういう形で大国化していくのか。自重した形で協調するのか、強硬な態度をとるのか、によって対応は違ってくる。我々にとっては「協調」が望ましいが、(歴史的に)力のある国は強硬的な態度をとることが多いので気を付けなければならない。

こうした不透明な時代、東アジアでは米国と中国が拮抗するようになり、「G2」と言えるような国際政治構造が出来つつある。米国もこれに対応する形で、米中2極構造になりつつあり、日本の外交が問われている。アジアにもOSCE(欧州安全保障協力機構)のような紛争処理を目指した組織をつくるべきだとの考えもあるが、共通の利害が一致しなければ組織をつくっても機能しない。日米中などが政治的な対立を解消すれば、協調体制を確立することができる。

EU(欧州連合)は、ユーロ危機やナショナリズムの高揚で政治統合が足踏みしているが、EU全体の経済力を合わせると米国に勝るほどである。ロシアは自己勢力圏の維持拡大を狙っている。インドやブラジルなどの新興国も拡大する経済力に伴って次第に国際社会への影響力を強めつつある。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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