中国の高速鉄道、AIIB背景に東南アジアへの進出強化―中国紙

配信日時:2015年4月1日(水) 20時5分
中国の高速鉄道、AIIB背景に東南アジアへの進出強化―中国紙
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3月31日、中国高速鉄道の海外進出が新たな進展を次々と実現している。中国とタイが高速鉄道の協力合意を締結した。写真は中国の高速鉄道。
2015年3月31日、中国高速鉄道の海外進出が新たな進展を次々と実現している。中国の王毅(ワン・イー)外交部長(外相)はボアオ・アジアフォーラムで28日、中国とタイが高速鉄道の協力合意をすでに締結し、中国とラオスの鉄道も推進されているほか、シンガポール・マレーシア間の高速鉄道の入札に中国が参加する計画であることを明らかにした。環球時報が伝えた。

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中国とタイとの高速鉄道協力合意締結の情報が発表された後、タイ紙「バンコク・ポスト」は、この鉄道が完成すれば、パッタヤーやラヨーンなどバンコク東部の沿岸地域に暮らす数百万人の住民にとっての朗報となるとし、快速で快適な通勤方式はタイで必ず歓迎されることになると報道した。

タイのアーコム・トゥームピッタヤーパイシット運輸大臣によると、鉄道の運営は両国の共同出資の形で行われる。資金源は、タイの財政支出、国内融資、中国側の融資からなる。機関車や鉄道信号系統、電力系統などはいずれも中国側の技術を採用する。中国とタイは今後、中国側の融資金利や融資期限、債務期限について交渉をつめていく。

建設が予定されている中国・タイ鉄道はタイ北部のノンカイと南部の港マプタプットをつなぐもので、総延長は800km余りに達し、タイ最初の標準軌鉄道となる。すべて中国の技術や標準、装備を使用し、時速は160kmから180kmに達する。

PR Newswire の29日の報道によると、高速鉄道市場は近年、発展を続けており、今後の見込みも明るいとされている。世界の高速鉄道市場は2013年の1023億ドル(約12兆2000億円)から2014年には1120億ドル(約13兆4000億円)に増え、2019年までに1334億ドル(約15兆9000億円)に達する見込み。世界の高速鉄道市場では、ASEAN諸国が中国・日本・フランス・ドイツなどの技術強国が激しい戦いを繰り広げる場所の一つとなっている。

東南アジア地域では、中国・タイ鉄道協力プロジェクトのほか、中国・ラオスの鉄道協力も積極的に進められている。すでに公表された計画によると、中国・ラオス高速鉄道は総延長420km、時速200km以内で、建設予算は約72億ドル(約8600億円)を計上している。完成後、昆明からビエンチャンまではわずか2時間半となる。計画ではこの鉄道はタイまで伸ばされ、アジア横断鉄道ネットワークの重要な一部となる。

このほかシンガポール・マレーシア高速鉄道も現在、各国が落札を競う重点プロジェクトの一つとなっている。昨年2月、マレーシアのナジブ・ラザク首相とシンガポールのリー・シェンロン首相が会談した際、高速鉄道の共同建設についての合意が達成された。マレーシア財務省は、鉄道建設の担当業者をまもなく公開入札の形で選択する。総延長300km余りの同鉄道は、投資額120億ドル(約1兆4000億円)が予定され、列車の時速は350kmから450kmに達する。鉄道完成後、自動車で6時間のシンガポールとクアラルンプールの所要時間を約90分に短縮する。現在、中国鉄建や鉄三院(鉄道第三勘察設計院集団)、南車青島四方によって組織された財団が入札参加の意向をすでに明らかにしている。

中国はなぜ東南アジアの鉄道建設への参加を希望しているのか。軌道交通の専門家である同済大学の孫章(スン・ジャン)氏は3月29日の取材で、「中国はASEAN各国と21世紀海上シルクロードを共同建設しているが、東南アジアは『1ベルト、1ロード』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の起点であり、必ず通らなければならない場所となっている。ユーラシア大陸を連結する軌道交通ネットワークの建設を強化することは、地域経済のコネクティビティを後押しするだけでなく、地域の幅広い協力の地縁環境にも有利に働く」と解説する。

これらのプロジェクト以外にも、中国はこれまでも、鉄道関連企業の海外進出を奨励し、周辺諸国に中国の高速鉄道技術を積極的にアピールしてきた。28日、ボアオ・アジアフォーラムに参加していたスリランカのマイトリーパーラ・シリセーナ大統領は習近平(シー・ジンピン)国家主席の提案を受け、高速鉄道に乗ってボアオから三亜に移動した。シリセーナ大統領は中国の高速鉄道の速度と快適さを高く評価した。また李克強(リー・カーチアン)首相は27日、中国を訪れたインドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談した際、「インドネシアが制定した今後5年のインフラ建設計画は壮大なものだ。中国政府は、中国企業がインドネシアに赴いて高速鉄道やライトレール、臨港産業パークなどのプロジェクトの建設に参加することを支援する」と述べた。

孫氏は、「日本は長期にわたって中国のアジア市場での主要な競争相手であり、米国と日本が主導するアジア開発銀行という金融の優位性も持っていた。だがアジアインフラ投資銀行ができて、状況は新たな変化を迎えている。少なくとも発展途上国間での相互往来を助け、東南アジア諸国のインフラ建設に益する変化と言える」と評価した。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
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