一般人から皇族まで、日本人はなぜ走るのが好きなのか?―中国紙

Record China    2015年3月27日(金) 4時16分

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24日、日本人はいったいどのぐらい走ることが好きなのか?人気作家・村上春樹のエッセイ集「走ることについて語るときに僕の語ること」を読まなくても、4月8日に開業する成田空港「第3旅客ターミナル」に行く機会があればおのずとわかるだろう。

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2015年3月24日、日本人はいったいどのぐらい走ることが好きなのか?人気作家・村上春樹のエッセイ集「走ることについて語るときに僕の語ること」を読まなくても、4月8日に開業する成田空港「第3旅客ターミナル」に行く機会があればおのずとわかるだろう。ランニング好きの日本人は第3旅客ターミナルの通路に陸上競技場のような青いゴムチップの床に白線で仕切ったレーンの床面表示を取り入れているのだ。東方早報が伝えた。

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日本メディアによると、この陸上トラック式の床面表示は第3ターミナルの入り口から国際線の搭乗ゲートまでの約500mに及び、搭乗者が迷子にならないように、搭乗口まで誘導するのが目的だという。

成田国際空港LCC専用ターミナルビル供用準備室の仲田雄一マネージャーは、「遅刻してしまった旅客が搭乗口まで走るのに便利」と笑顔で冗談を語った。また、成田国際空港の職員は、「搭乗ロビーではやることがなく、たいくつしている人が大勢いる。この陸上トラック式レーンがあれば、走ることが好きな人がここで身体を動かすこともできる。冷たいイメージだった空港が親しみやすくなる」と説明した。

■日本のランニング文化は女性から起こった

日本にはランニング文化が根付いている。どの日本人の周りにもランニング愛好者はかならず存在し、ランニングブームはすでに40年近くも続いている。上海のマラソン大会に何度も参加している日本のマラソン愛好者の松野さんは、「第2次世界大戦が終わった後、日本は奇跡的な経済発展を遂げた。しかし、1980年代頃から多くの中年層、特に家庭の主婦のストレスが大きくなった。主婦たちは最初の頃は暇な時間にランニングをして、溜まっているマイナスの感情を発散させていたが、徐々に走ること自体が健康や気持ちの上で極めて大きなプラスの影響を及ぼすことに気付いてきた」と語る。松野さんの母親もそのうちの一人だったという。

日本の元テニスプレイヤーで、毎年マラソン大会にも参加している伊達公子さんは、「日本のランニングブームの初期は女性中心だったこともあり、日本人女性にはランニングの伝統がある。男性は、後になって、徐々に参加するようになった」として、日本のランニング文化の発端は女性にあるという見方を示した。また、「日本人、とくに女性は『忍耐力』に優れている。忍耐力と意志力が最も直接的に影響するスポーツであるマラソンはまさに日本人女性に適している」と語る。

現在、中国のおばさんは「広場舞」を踊り、日本のおばさんはランニングに夢中になっている。同じ年齢層でも、両国には異なる健康文化が生まれている。ちなみに日本のランニング愛好者の中では、現在20〜40歳の女性が一番多い。

■毎年1000以上の大会、校内マラソンの対抗戦

ランニングに夢中になる日本人の数が増えるにつれ、日本の学校では長距離走が最も普及するスポーツ競技となった。子供は幼稚園から持久走大会に参加し、小学校1、2年生から体育の授業で2000m走が始まる。

長距離走は味気ない競技ではあるが、優れた長距離走選手は日本の学校では絶対的な人気者だ。日本で有名な「箱根駅伝」は、こういった学校で培われた長距離走文化の結晶ともいえる。「箱根駅伝」と呼ばれる「東京箱根間往復大学駅伝競走」は、東京から箱根までの往復217.1kmをたすきリレーでつなぐ大会で、毎年正月三が日に2日間にわたって行われる。参加者は全員が大学生だ。大会に賞金などはなく、各ランナーは自分と学校の名誉のために全力を尽くす。日本で有名なマラソンをテーマにした映画「風が強く吹いている」はこの箱根駅伝を描いたものだ。単なる大学対抗の長距離走大会である駅伝が、日本では紅白歌合戦に迫るような高い視聴率を誇っているなんて中国人には想像できないだろう。データによると、駅伝の視聴率は毎年20%以上に達しており、これは中国の国民的年越し番組「春晩」にも匹敵するほどだ。

日本で有名な元マラソン選手の高橋尚子さんがかつて明かしたところによると、「箱根駅伝」のような大学対抗の長距離走大会は日本で毎年1600回以上行われているという。

■一般の人から皇族までランニング好き

このように多くの大会が開催されることも、まさに日本人のランニングへの傾倒ぶりを表している。日本国内で開催されるマラソン大会以外に、海外のマラソン大会に参加する人も少なくない。たとえば、上海マラソンやハワイのホノルルマラソンでは、外国籍参加者の中では日本人の数が最も多い。

毎日、皇居の外周を走るランニング愛好者は4000〜5000人を超えているほか、東京マラソン大会を見たり、応援したりする人々は116万人以上にも達している。

一般の人だけでなく、皇太子さまもランニング愛好者だ。55歳の皇太子さまは毎月100km以上を走り、フルマラソンを4時間30分以内で走る実力があると報道されたことがある。

日本人が走ることが好きな要因について、シンガポール華字紙「聯合早報」の日本人評論家・橋本隆則氏は、「あきらめずに目標に向けて走り続ける精神は、我々の精神だ」として、「耐えて、耐えて、耐えて、がんばって、がんばってさらにがんばる。これが長距離走競技の特徴であり、まさに日本人の特徴でもある」と語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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