欧州4カ国も参加表明のアジアインフラ銀、なぜ注目を集めているのか?―中国紙

Record China    2015年3月21日(土) 18時5分

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20日、英国は今月12日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に創設メンバーとして参加する意向を明らかにした。フランスとドイツ、イタリアも17日、AIIBへの参加の意向を示した。写真は日本円と人民元。

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2015年3月20日、国際商報によると、英国は12日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に創設メンバーとして参加する意向を明らかにした。フランスとドイツ、イタリアも17日、AIIBへの参加の意向を示した。韓国やオーストラリアなどはまだ結論を出していないが、スイスやルクセンブルクもAIIBへの参加申請を宣言する可能性がある。

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英国の参加が明らかになった当初は、英国が中国に「すり寄った」と米国から批判が上がった。しかしAIIBの人気や評価が高まっているのはまぎれもない事実である。

▼米国の激しい反発

米国はなぜ英国などがAIIBに加わるのにこれほど激しく反発するのか。

中国現代国際関係研究院欧州研究所の張健(ジャン・ジエン)所長は、「現在の世界の大きな経済系国際組織は、世界銀行にせよ、国際通貨基金(IMF)にせよ、アジア開発銀行にせよ、どれも米国が主導している。IMFでは、米国は事実上の『拒否権』を持っている。中国などの新興エコノミーは発言権の拡大などの問題を何度も提議して来たが、米国は今になっても、中国やその他の発展途上国の世界銀行とIMFにおける発言権を拡大するという2010年の約束を果たしていない」と分析する

英国がリードを取る中、フランスやドイツ、イタリアなどの西側諸国がAIIBへの参加を次々と表明していることは、米国にとって、自らの経済的覇権に対する挑戦と映っているのだ。

「もしもAIIBがアジアのいくつかの新興国だけによるものだとすれば、特定地域の組織であるにとどまる。だが英国など西側諸国の参加によって、AIIBの性質は、世界銀行やIMF、アジア開発銀行と肩を並べる国際組織へと飛躍する。米国は当然おもしろくない」と張健所長は指摘する。

▼AIIBに惹かれる各国

米国の強烈な反対は、各国がAIIBに引きつけられるのを留めることができていない。各国政府にとってはやはり、発展こそが絶対的な筋道であるからだ。

英・仏・独・伊の欧州4カ国がAIIBへの参加を率先して表明したのには理由がある。張健所長によると、これらの国々はAIIBへの参加によって、アジアの新興エコノミーの成長による利益を受け取る資格を得ただけでなく、中国が打ち出す「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)などの発展戦略に参加することも容易となる。さらにアジアの資金を引き入れて自国のインフラ老化の問題を解決し、投資や雇用を引っ張り、債務危機以来の動力を欠いた欧州経済を活性化させるというねらいもある。

アジア太平洋地域の経済が大きな潜在力を持っていることは米国も知っている。「アジア太平洋へのリバランス」戦略の打ち出しもその表れの一つだ。張健所長は、AIIBに参加する国の数が増え、AIIBの影響力が拡大すれば、米国が黙ってこれを見ていることはあり得ず、「自分がいいような方式で参加をはかってくるに違いない」と推測する。

最新情報によると、日米が主導するアジア開発銀行は、AIIBとの協力についてすでに検討を始めており、双方は将来、経験や技術、専門知識の共有で協力を展開する可能性がある。

▼参加国の経験を参考に

英国にはAIIB参加の様々な理由があるが、AIIBも同じように英国を必要としている。

中国社会科学院アジア太平洋研究所経済研究室の趙江林(ジャオ・ジアンリン)室長は、「AIIBは資金の運用や規則の制定などのレベルで英国の協力を必要としている。AIIBは、中国が資金を運用し、中心となって設立する最初の国際金融機構だ。金融大国である英国は、フレームワークの設計や資本の運用などで豊富な経験を持っている。英国は、AIIBの運営ができるだけ早く軌道に乗るのを助ける役割を担い得る」と指摘する。

日本紙の報じる通り、英国の参加によって、国際金融機構としてのAIIBの信用は大きく高まった。格付けが高まれば、AIIB主導のプロジェクトの資金調達コストも大幅に減ることとなる。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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