中国、深刻な血液不足で、新たな血液ブローカーが暗躍―海外メディア

Record China    2015年2月18日(水) 7時9分

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15日、ロイター通信は、血液不足が深刻な中国で、血液ブローカー“血頭”の“新世代”が暗躍していると報じた。資料写真。

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2015年2月15日、ロイター通信は、血液不足が深刻な中国で、血液ブローカー“血頭”の“新世代”が暗躍していると報じた。16日付で中国・参考消息(電子版)が伝えた。

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上海市で公務員を退職した洪(ホン)さんは骨髄増殖性疾患と闘っている。「血を買うことで問題を解決できる。“血頭”の存在なしには、どうすることもできない」と話す。

こうした深刻な血液不足は“血荒”と呼ばれる。1980〜90年代には、地方政府が農民に売血を奨励し、集められた血液をブローカーの“血頭”が病院や血液ステーションに売りさばいていた。こうした過程でエイズウイルスに感染した人は、数十万人とは言わないまでも、数万人に上るとみられている。

2011年に起きた新たなスキャンダルで、中国では献血がさらに減少した。中国赤十字商会の幹部を名乗る若い女性がそのセレブな生活ぶりをインターネット上に公開し、政府の血液事業を支援する慈善組織のイメージが傷つけられたためだ。

中国は1998年に献血法を施行し、無償献血による血液の販売を禁止するとともに自発的な献血を奨励している。血漿(けっしょう)採取の関連規定も厳格化し、血液検査も強化した。

患者が血液ステーションの血液を使用するためには、自身もしくは親戚・知人などの献血証を提示することが法律で義務付けられている。病院側も、患者から献血証の提示がなければ血液提供は行わない。

だがこうした取り組みが、定期的な輸血や大量の輸血に頼らざるを得ない患者、親戚や知人を頼りにできない患者などを、不利な立場へと追い込んでいる。

中国では、献血は原則年に2回までと規定されており、各省間の血液共有もまれだ。

こうした状況下で登場したのが、新世代の“血頭”だ。彼らは通行人などに声をかけて金を渡し、血液ステーションで献血させ、発行された献血証を、必要とする別人に売りさばいている。

北京市の赤十字血液センターの入り口付近で、黄色のダウンジャケットを着た若い男性。吉林省出身の張(ジャン)さんは、新世代の“血頭”の一人だ。彼が示した条件は、血液100ミリリットルで1000元(約1万9000円)。血液が必要となる1日前に、病院名と患者の血液型を伝えるだけでよいという。

世界保健機関(WHO)によると、2011年の中国の献血者は人口の1%に満たなかった。この数字はWHOが提言する基準の下限でもある。中国政府は、同年の献血量が前年比5%増の4164トンに達したと発表している。

多くの人が献血に消極的な中国という国で、献血者の多数を占めるのが学生と軍人だ。政府は国家公務員にも献血を奨励している。

地方政府は、新規の献血者を獲得するため、新たな取り組みを始めている。浙江省のある県では、親が計4リットル以上の献血をした場合、子どもの高校入試の得点に加点する政策を打ち出し議論を呼んだ。湖南省でも、900ミリリットルを献血すれば、生涯無料で血液を使用することができるという。

だが多くの都市では、血液の在庫不足がいまもなお深刻だ。さらに、間もなく迎える春節(旧正月)のように、在庫が一段と減少する時期もある。湖南省長沙市の献血ステーション関係者によると、現在の血液在庫は、安全とされる基準の3分の1程度だという。(翻訳・編集/柳川)

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