2015年をどう歩むか、安倍首相の前には2つの道がある―中国メディア

Record China    2015年1月9日(金) 16時55分

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5日、安倍晋三首相は新年記者会見で、「村山談話」を含む歴代内閣の歴史認識を継承したうえで「安倍談話」を発表し、「積極的平和主義」の方針の下で一層の貢献を果たす明確な意思を世界へ発信する考えを表明した。写真は霞が関。

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2015年1月6日、安倍晋三首相は今月5日の新年記者会見で、「村山談話」を含む歴代内閣の歴史認識を継承したうえで「安倍談話」を発表し、「積極的平和主義」の方針の下で一層の貢献を果たす明確な意思を世界へ発信する考えを表明した。(文:賈秀東[ジア・シウドン]本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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この発言は不適切ではないようにも聞こえるが、検証には耐えられない。特に安倍氏の過去の言動と結びつけて考えると、この発言の真の意味ははっきりしなくなる。

安倍色を帯びた「安倍談話」を発表するとの考えはかなり以前からあるものだ。「村山談話」と「河野談話」を覆そうとするものであるというのが、いわゆる「安倍談話」と聞いて最初に受ける印象だ。安倍氏とその背後の右翼勢力は「村山談話」と「河野談話」がずっと気にかかって仕方ないようで、両談話を見直し、さらには覆し、代わりにいわゆる「安倍談話」を発表する考えを再三示してきた。衆院選に勝利したことで、安倍政権は当分盤石となった。安倍内閣の濃厚な右翼保守色が「安倍談話」に影響を与えることは避けがたい。

過去数カ月の間、安倍氏は対中関係、対韓関係改善への意欲をさまざまな場で繰り返し表明し、北京APEC会議期間には中国指導者との会談も実現した。2015年、安倍新内閣は真に根本的に改めることができるのだろうか?現時点では、決して良い結果にはならないことを暗示する兆候が少なくとも3つある。

第1に、安倍氏はゴールデンウィーク中の訪米を計画している。訪問の機会を借りて、日米関係を調整し、日米防衛協力指針の改定、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉などで進展を得、さらに米国を「上手くあしらって」、自らの政策への黙認と支持を取りつけ、隣国からの圧力を軽減するというのが、彼の虫のいい計算なのだろう。だが問題は、歴史問題で米国の反応を「上手くあしらう」ことが、即ちアジアと国際社会を「上手くあしらえる」ことではないということだ。

第2に、日中関係の扱いと改善について日中が4つの原則的共通認識にいたった後、岸田文雄外相と内閣はこれについて一方的な解釈を行い、日本側への拘束力をうやむやにしようと企てている。もし安倍政権が4つの原則的共通認識に背き、さらには「原則」という重要な言葉の意味を「曖昧でどちらにでも取れ、あってもなくてもよい」ものへと歪曲し、「具体的約束はしていない」と詭弁を弄するのなら、こうした小賢しい手口に人々は4つの原則的共通認識の扱いと実行、対中関係の改善に対する日本側の誠意に疑念を抱かざるを得ない。

第3に、安倍氏は昨年末の衆院選後「安倍談話」の内容について「過去の戦争への反省、戦後の進歩と日本が今後歩む道を盛り込みたい」と表明した。これが「安倍談話」の3つの重点であるようだが、問題は安倍氏の真の「重点」は恐らく「反省」ではないということだ。日本紙の報道によると、外務省のある高官は先日安倍政権の今年の基本的外交政策について、一部の国が戦後70周年の機を利用して「日本に対する(国際社会の)信頼を損なおうとしている」として、平和憲法および戦後の国際社会への貢献を「明確かつ誇りをもって」多く語る必要があると述べた。安倍氏の新年の談話が日本側の今年の外交戦略を反映していることは明らかだ。そうすると日本側は侵略の歴史の正しい反省という核心的問題を回避するということだ。

戦後70年は安倍氏にとって、歴史から与えられた機会であり、1つの関門でもある。言い換えるなら、2015年はどう歩むか、安倍氏の前には2つの道がある。引き続き横道を奔走していくか、歴史を正しく扱う道に戻るかだ。

2015年に安倍氏はどう歩み、どうこの関門を越えるのだろうか。中国が、韓国が、アジアが、世界が見ている。安倍氏はその場しのぎができると幻想を抱いてはならない。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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