中国で低迷のトヨタ、ブランド力の失墜が顕著に―中国メディア

配信日時:2015年1月8日(木) 18時4分
中国で低迷のトヨタ、ブランド力の失墜が顕著に―中国メディア
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4日、年の変わり目を迎えて、自動車業界では、販売台数や収益に着目した評価が盛んに行われている。だが自動車の売り上げには、自動車メーカーのブランドの力が大きく関わっている。写真はトヨタ車。
2015年1月4日、年の変わり目を迎えて、自動車業界では、販売台数や収益に着目した評価が盛んに行われている。だが自動車の売り上げには、自動車メーカーのブランドの力が大きく関わっている。中国経済網が伝えた。

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フォルクスワーゲンの中国での好調と比べると、世界最大の自動車市場である中国でのトヨタの業績は良い所がなかなか見つけられない現状だ。その弱点は、製品や戦略、マーケティングなど様々な要素が考えられるが、その根本にあるのがブランド力の失墜である。

▽失墜するブランド力

世界経済の成長が鈍化する中、主要自動車市場の多くで成長率低下やマイナス成長の局面が現れている。だが長年にわたって世界最大の自動車販売市場である中国はその例外と言える。2013年の自動車販売台数は2198万台で、前年比成長率は13.9%に及んだ。2014年の成長率はこれには及ばないが、7%近くを維持すると見込まれる。

世界の自動車メーカーの販売トップ3であるトヨタとフォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズは2013年、世界市場でそれぞれ998万台、973万台、972万台を売り上げた。中国市場では同年、フォルクスワーゲンとゼネラルモーターズがそれぞれ327万台と316万台を売り、市場シェアはそれぞれ3分の1に達した。だがトヨタの中国での販売台数は約92万台にとどまり、シェアは10分の1に満たなかった。

▽カムリ:色あせた人気ブランド、中国市場拡大の好機逃す

2004年、トヨタにとっての中国2社目の合弁会社「広汽豊田」が設立された。同社が2006年に打ち出した最初の車種「凱美瑞」(カムリ)は、発売からすぐに好調な売り上げを見せ、年間販売台数は6万台を超えた。トヨタの中国市場でのシェアは6.6%に高まった。

2007年、トヨタの中国販売台数は前年比61.6%増の45.29万台に達し、市場シェアは8.6%に高まった。翌2008年、市場シェアはさらに9.5%まで上がり、中国進出後のピークに達した。

中国の自動車市場は2009年と2010年に大きく発展したが、トヨタはこの好機を逃し、市場シェアを縮小させた。トヨタのシェアは2009年には7.5%、2010年には6.9%に下がった。トヨタのシェアは国産移行で一時上昇したが、この頃から下降期に入り、2013年のシェアは約5%にまで下落した。

トヨタのシェアの急降下の中心的な原因は戦略の保守性によるもので、市場の見立ての誤りやリコールも影響している。トヨタは、中国自動車市場の急成長というチャンスを逃し、中国市場の拡大による利益を取りこぼし、競争相手に完全に遅れを取ることとなった。

▽プリウス:ブランド力も製品力もダブルで低下

中国ではかつて、「車が山に着けば必ず道はある、道があれば必ずトヨタ車がある」というトヨタのキャッチコピーが一世を風靡した。だがトヨタは、ヒット車種をなかなか生み出せずに、何度も失敗を繰り返した。

ハイブリッド分野で世界を率いるトヨタは、傘下のハイブリッド車(プラグイン式を含む)を世界で700万売り上げてきた。米国での販売台数は2013年に30万台を超え、同年の広汽豊田の全車種の販売台数を上回った。だがトヨタのハイブリッド車は中国ではなかなかうまく行っていない。一汽豊田と広汽豊田は今年、国産ハイブリッドシステムを搭載したカローラとレビンを売りだすが、この2車種が市場に受け入れられるかはトヨタのハイブリッド車の成否にかかわる。

豊田自動車研究開発センター(中国)有限公司の松本真一・副総経理(副社長)によると、プリウスの中国での不調は、車種自体がなかなか市場に受け入れられていないためと考えられる。世界で累計4000万台を売り上げたカローラは中国での人気も高く、燃費に優れたハイブリッド車という要素が加われば、中国での販売に成功する可能性は高い。

▽新型クラウン:ハイエンド車種も威光失う

ブランドの失墜は車の販売価格にも表れている。末端販売価格が市場戦略で次々と引き下げられているのはその直接的な表れと言える。

トヨタの主力車種ではるカムリはかつて、中型セダンの中高級車として圧倒的な人気を誇っていた。2009年、マゴタンとパサートの販売台数は合わせても18万台に過ぎなかったが、カムリは一車種で16万台近くの売り上げを記録していた。昨年1月から11月までカムリの販売台数は約13万台とそれなりの規模を保ったが、末端の販売現場では3万元(約58万円)から4万元(約78万円)の割引が行われ、最低価格は14万元(約272万円)にまで下がり、一汽大衆のサギターなどコンパクトセダン並となった。

トヨタブランドの代表格であるクラウンも苦境にある。昨年1月から11月までの売り上げは1万4000台にとどまり、アウディ「A6L」の月間売り上げ程度となった。最高級車の不調は、トヨタブランドの下落をさらに加速させている。

トヨタは世界市場ではまだ強い。だが中国市場での低迷は経営陣の頭痛の種となっている。ブランド失墜の局面をいかに転換するかは、トヨタにとっての大きな課題と言える。中国市場での敗北が今後も続けば、世界販売トップの座からトヨタが転がり落ちる可能性も否めない。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
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