欧米に追いつけ?昭和から据え置きの訪日ビザ申請料が2026年に値上げ

邦人Navi    
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1978年以来据え置かれてきた訪日ビザの申請料が改定される見通しだ。写真は京都。

1978年以来据え置かれてきた訪日ビザ(査証)の申請料が改定される見通しだ。日本政府は2026年度をめどに欧米並みの水準へ引き上げも検討しているといわれ、厳格化された「経営・管理ビザ」と併せ、量から質への転換を図るインバウンド政策の転機となりそうだ。

訪日ビザ手数料の値上げ構想と背景

日本経済新聞など大手メディアの報道によると、日本政府が26年度にも訪日ビザ申請手数料を欧米並みの水準に引き上げる方針を検討している。インバウンド需要の急増により発行コストが膨らみ、物価上昇を反映する必要があるほか、観光公害オーバーツーリズム)の抑制にも一定の効果を見込むと報じられている。

海外メディアも注目、改定されれば1978年以来

日本経済新聞によると、政府は26年度にもビザ申請手数料を欧米水準に引き上げる方針を固め、引き上げ幅は主要7か国(G7)やOECD加盟国の水準を参考に、関係省庁間で協議の上で決定する見込みだ。各報道によると、外務省は25年度中にもパブリックコメントの募集を予定しており、制度改正は政令改定を経て正式に実施されるとみられているが、現時点では詳細な発表はない。

海外メディアもこの動きに注目している。「Tokyo Weekender」や「bt Business Today」などは日本のビザ手数料が1978年(昭和53年)から据え置かれており、現行ではシングルエントリービザが約3000円、マルチエントリービザが約6000円だと報じた。これはG7やOECD諸国と比較して著しく低水準で、26年度には欧米並みの料金帯への引き上げも想定されると伝えた。

市場への影響、価格シグナルと制度改正の同時進行

ビザ手数料の値上げが訪日観光市場に及ぼす影響は限定的とみられるが、低価格志向の団体旅行層に対しては一定の抑制効果をもたらすとの見方もある。一部では訪問者数を10~20%減少させる可能性を指摘する声もあり、観光流入の質的転換を促す契機になると分析されている。

さらに、オーバーツーリズム対策として免税制度の大幅改正も進行している。26年11月1日からは、訪日外国人旅行者向けの消費税免税制度が「購入時免税」から「リファンド方式(税還付方式)」へと変更される予定だ。旅行者は購入時に税込価格で支払い、出国時に税関で承認を受けた後、指定方法で還付を受ける仕組みとなる。この変更により、免税店での包装要件や品目区分が簡素化され、国内転売防止や不正利用抑止が期待されている。

日本人にも負担増、アウトバウンド離れが加速か

一方で、政府は出国時に徴収する「国際観光旅客税(出国税)」の現行1000円を3000円程度に引き上げる案も検討中だ。徴収対象は外国人だけでなく日本人も含まれるため、海外渡航コスト増加が懸念される。増収分は高校無償化の財源に充てる構想が浮上しており、家計負担と政策目的の両立が今後の焦点となる。

なお、パスポート保有率は現在約17%と過去最低水準にあり、出国税引き上げがさらに渡航意欲の減退を招く可能性も否定できない。日本がインバウンド立国の方針を進める一方、国民のアウトバウンド離れが加速する皮肉な構図が浮き彫りになっている。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)

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