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ラブブやナタなど中国発のIPが世界を席巻している。写真はラブブ。
東京渋谷のパルコ前に、朝からできた長蛇の列。シャネルのハンドバッグを手にした大人の女性から、サラリーマン、中学生まで、さまざまな属性の人々が一緒になって待っているのは、中国発のキャラクター、LABUBU(ラブブ)のグッズだ。
時を同じくして、ブダペストのウラニア国立映画館では、中国のアニメ映画『ナタ 魔童の大暴れ』の上映イベントのチケットが発売から30分で完売した。上映後、ハンガリーの観客は興奮した様子でメディアに語った。「こんな壮大な東洋神話を見たことがない。中国のアニメは私の想像を完全に覆してしまった!」
これらの場面は、2025年のグローバル文化消費の特異な状況を示している。中国発のIP(知的財産)が急成長し、世界を席巻しているのだ。LABUBUの開発元であるPOP MARTは、2024年に全世界で130億4000万元(約2626億円)の収益を上げ、そのうち中国本土での売上高は前年同期比52.3%増の79億7000万元(約1600億円)、海外および中国香港・マカオ・台湾地区での売上高は前年同期比375.2%増の50億7000万元(約1000億円)に達した。
韓国のガールズグループBLACKPINKのメンバー・Lisaがインスタグラム(フォロワー1億人超)でLABUBUのコレクションを披露すると、アジア市場での同製品の人気が爆発的に高まった。また、LABUBUはロサンゼルスの深夜3時の行列からロンドンの店舗での争奪戦に至るまで、世界中で注目を集め、さらにはリアーナやベッカムといったセレブによってファッションアイテムとして扱われるまでになった。LABUBUは、世界中の若者にとって「新たなソーシャルマネーの王」となった。
LABUBU人気が続く中、『ナタ 魔童の大暴れ』は北米の映画館に進出し、ハリウッドをも驚かせる記録を打ち立てている。700館以上で上映され、20年ぶりに中国語映画としての記録を更新した。オーストラリアのIMAX上映は即座に完売し、65オーストラリアドルの高額なチケットでさえ供給が追いつかない。ハリウッドのプロデューサー、アダム・ライプシグ(Adam Leipzig)氏は、「中国の映画アーティストの創造力は誰にも劣らない」と評価した。
LABUBUとナタの成功は、中国のIPの世界のポップカルチャー界での台頭を表している。LABUBUの成功要因を分析すると、デザイン面では「かわいくてちょっと怖い美学」が従来の価値観を覆している。その尖った牙と歪んだ口元は、北欧の精霊伝説と東洋の怪異要素を融合させ、欧米の若者のゴシック文化的な審美眼を満たしている。また、ビジネス戦略の面では、POPMARTは従来のIPエコシステムを超えて、新たな商業メカニズムを構築した。「ブラインドボックス+限定」戦略を用いて希少性を生み出し、AIGC技術を活用してファンによる二次創作を促進している。ファンたちは“消防士LABUBU”や“アルバイトLABUBU”などのイメージを作り出すことが可能で、LABUBU はZ世代が現実世界を再構築するための「アイディアの器」となっている。
日本のネットユーザーがLABUBUの人気を見て「日本のキャラクターが再び世界に愛されることを願っている」と感慨を覚える中、イギリスでは『ナタ 魔童の大暴れ』が「中国の古代神話と現代映画のスタイルを融合させた」と称賛されている。カルチャー市場において中国は「学ぶ側」から「リーダー」に転身しつつある。POP MARTの国際総裁である文徳一氏は、2022年を「中国キャラクターの海外進出元年」と定めており、今日の爆発的な成功がその予言を証明した。中国発のIPは今や世界のポップカルチャーの人気者となっている。
グローバルなポップカルチャーという大きな市場で、中国はこれまでは主に「加工工場」に過ぎなかった。それが今や、中国の文化クリエイティブ製品が世界中で人気を集めている。これは、単に中国のイメージ(神話や伝統の要素)を海外に売り込むことではなく、外国人に中国文化の精神を理解してもらい、好きになってもらうことを意味する。五千年の文明を、現代人が好む革新的な方法で表現すれば、全世界中の心を動かすことができる。この中国IPの海外進出は、ビジネスにとどまらず、異なる文明と文化が互いに理解し、鑑賞し合うことをも可能にする。(提供/CRI)
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