2023年11月6日、韓国・YTNによると、警察官に対する暴言など公務執行妨害の容疑で外国人男性が逮捕されたが、警察官による過剰な制圧があったことが判明し、物議を醸している。

報道によると、韓国人と結婚し韓国在住歴8年になるというモロッコ国籍の男性が先月中旬の深夜、ソウル・梨泰院（イテウォン）で公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕された。「逮捕通知書」には「男性がタクシーの乗客にけんかを売ったためタクシー運転手が通報した」「駆けつけた警察官に男性が暴言を吐き胸ぐらをつかみ転倒させるなどした」と書かれているという。

男性は暴言などは事実だと認めたが、警察官が先に男性に手を出したため抗議したのが事の発端だったとしており、強く押されたりスタンガンで4回撃たれたりするなど、警察官による「過剰な制圧」があったと主張している。タクシーの乗客とのもめごとに関しては「タクシーから落ちた物を見つけたことから始まった誤解だった」と話している。警察官に制圧された当時、携帯電話で撮った動画は、警察官により削除されたという。

現場の防犯カメラの映像を見ると、停止中のタクシーの前で外国人の男性と話していた警察官が突然、男性を強く押すなどした。また、男性が撮影のため携帯電話をかまえると警察官が奪い取った。男性は取り返そうとするが警察官4人に制圧され転倒。スタンガンを使われ失神している。しかし警察は、「何があったのか知りたい」という男性の妻に対し、「現場には証拠がなかった」とうそをつき、防犯カメラの映像の存在を隠していたという。

専門家は「事件当時、男性は凶器を所持しておらず、動画によると警察官が先に物理力を行使している。既に逮捕した相手にスタンガンまで使ったのは過剰な制圧に見える」と指摘している。

警察は「男性のほうが暴言を吐き警察官を転倒させるなどしたため制圧した。力が強かったのでスタンガンを使用した」と説明し、過剰な制圧ではなく正当な行為だったと主張している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「これが過剰な制圧？」「警察官と一緒に倒れ込んでるじゃないか。どこが『既に逮捕した』状態なんだ？」「犯罪だと通報を受けて出動した警察官が丁寧な対応をしてくれるわけないだろ」「この程度で過剰だと言われたら公権力が崩壊してしまう。警察官に暴言を吐きつかみかかるなんて、決してほめられた態度ではない」「もっと強力な鎮圧が必要だと思う。韓国居住の外国人は韓国警察をなめてるんだよ」「外国人は自国の警察には何も言えないくせに、韓国に来ると韓国の警察官になめた態度を取る」「最近テレビで、梨泰院の外国人が警察官をからかっている様子を見たよ。まるで無法地帯だ」など、警察側を擁護する声が多く寄せられている。（翻訳・編集/麻江）