中国の若者の結婚・育児への“寝そべり”はどう解決すべきか?―独メディア

Record China    2023年3月7日(火) 5時0分

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独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは3日、「中国の若者の結婚・育児への“寝そべり”はどう解決すべきか?」とする記事を掲載した。

独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは3日、「中国の若者の結婚・育児への“寝そべり”(無気力な状態)はどう解決すべきか?」とする記事を掲載した。

記事は、「中国は現在、都市部だけでなく農村部の若者も晩婚化し、人口ボーナスは終わりかけという危機に直面している」とし、複数の中国人へのインタビューを掲載した。美容医療に従事する25歳の女性・孫(ソン)さんと、金融系の企業に勤める30歳近くの男性・趙(ジャオ)さんのカップルは、交際を始めて8年になる。2人とも北京出身で、一般的には北京の外からやってきてまだ定住していない人たちよりも結婚・出産をしやすいと言えるが、結婚するかどうかを考えているという。

孫さんは、「みんな今は娘を産みたいと思っている。例えば北京で息子を産むと(その子の新婚用の住宅を買うお金を用意しなければならない可能性があり)、少なくとも1000万元(約1億9700万円)は稼がなければならないことになる。基本的には、最低でも200万〜300万元(約4000万〜6000万円)の頭金を出すことになる」と語った。また「仕事の後やせっかくの週末に育児をしなければならず、子どもが大きくなった時にはちゃんと勉強をするよう管理しなければならないと思うと、本当に怖い」と話した。

晩婚化や晩産化について趙さんは、「考え方がオープンになった。結婚・出産は何かを証明したり代表したりするものではない。正式に結婚するか、離婚するか、子どもがいるかなどは、幸福を代表するものではない」と語った。

記事は、「2人の話は、中国青年の結婚・出産事情の縮図だ。コストを考慮しながらも、結婚・出産はもはや人生に必要な選択肢ではなく、中国の伝統的な“子孫が代々家系を継ぐ”という考えとは異なる声を伝えている。これが中国の(元々の)結婚・出産を変化させている」と指摘。「昨年の結婚ビッグデータによると、初婚の平均年齢は各地で30歳近くに達しており、晩婚化が中国の一般的な傾向となっている。正式に発表された昨年の人口データでは、中国の人口は60年以上ぶりに減少し、同時に出生率も最低を記録した」と伝えた。

中国の人口問題の専門家・易富賢(イー・フーシエン)氏は「現在、中国の結婚・出産年齢は『世界で最も遅い』と言われる東アジアの傾向に追いつきはじめ、今後、深刻な高齢化に直面する。初婚年齢はさらに遅くなっていくだろう」と述べた。

記事は、「これに対応するため、中国政府も結婚・出産を奨励する多くの政策を打ち出している。四川省では未婚で出産した人の権利を保証するため、現地の出産登録で結婚に関する制限を撤廃しているが、全国政治協商会議の謝文敏(シエ・ウェンミン)委員はこのほど、この措置を全国に拡大して実施すべきだと主張した。中国の一部の省では結婚休暇を延長しており、新婚の夫婦に30日間の結婚休暇を与えている省もある。しかし、これらの措置でも、現代の出産と養育のニーズや考え方を全面的にケアすることはできないかもしれない」とした。

上海の金融業界で働く28歳の夫婦は、当分の間子どもを産む予定はないという。妻の万(ワン)さんは「私たちは働いているので子どもを誰かに見てもらわないといけないですが、両親もまだ働いているため保母さんに子どもを預けることになり、不安です」と話す。

シンガポール国立大学家庭・人口研究センターのBussarawan(Puk)Teerawichitchainan主任は、「高齢化した中国では、かつての一人っ子政策により、青年たちの上には年寄りが、下には小さな子どもがいる“サンドイッチ”状態になり、“人手不足”のため(生まれた子どもを)世話する力が小さい。政府が今、一家に3人の子どもを産むことを奨励しても、人々は負担の問題を考えるだろう」とした。

万さんは、中国の教育状況が“内向きの競争が激しい”ことに言及し、「子どもが優秀な成績を収めるように、親が塾や習い事に通わせるやり方」にはへきへきしていると語った。Puk主任は、「子育てのコストを考えると、アジアでは卓越した学業成績を追求するという点で競争が激しい」と語った。

記事は、「もう一つの政策がもたらした影響は、結婚年齢だ。1980年に中国は計画出産を推進するため、結婚最低年齢を男子22歳、女子20歳に遅らせ、晩婚(男性25歳、女性23歳)晩産を奨励した。しかし、現在世界各国の結婚最低年齢は普遍的に16〜18歳で、生物学的時序に合致していることから、易氏は『中国も国際と結びつくべきだ』と考えている」と述べた。

北京に住む30歳独身公務員の王(ワン)さんは、「家賃の高さは普遍的な問題で、結婚後に出産をする諸々のコストが高い。妻をもらって(一緒に)食べたり飲んだりしても楽しくない。そんな結婚をして何になるのか?(結婚しなかったとして)人に迷惑をかけることになるだろうか?一人でも十分楽しめる」と話す。

Puk氏は「中国で考えられる政策として、若い夫婦に何らかの形の住宅補助や奨励策を提供するというものがある。住宅コストの重い負担がなければ、本当に早く家族を作ることを考える助けになるかもしれない」とする一方で、「経済的な補助にはやはり限界がある」と述べた。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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