臆測呼ぶ中国の7~9月GDP発表延期、「共産党大会に関心集中させるため」と海外メディア

Record China    2022年10月22日(土) 6時0分

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中国が18日に予定していた今年7~9月のGDP発表が突然延期となった。さまざまな臆測を呼ぶ中、複数の海外メディアは5年に一度の共産党大会に「関心を集中させるため」と報じた。資料写真。

中国国家統計局が18日に予定していた今年7~9月(第3四半期)の国内総生産(GDP)発表が突然延期となった。延期の理由は明らかにされておらず、さまざまな臆測を呼んでいるが、複数の海外メディアは16日に開幕した5年に一度の共産党大会に「関心を集中させるため」と報じた。

GDPの発表延期は国家統計局が17日にウェブサイトで告知した。新たな発表スケジュールや公表を遅らせた理由は示していない。同じく発表予定だった9月の工業生産とエネルギー生産、小売売上高、住宅価格と1~9月の固定資産投資と不動産投資・販売の公表も先送りされた。税関総署も14日に発表する予定だった9月の貿易統計をまだ公表していないが、延期理由は明らかにしていない。

4~6月期のGDP成長率は前期比マイナス2.6%、前年同期比0.4%増にとどまった。厳しいゼロコロナ政策の継続や不動産危機の深刻化、世界的な需要減少を背景に、7~9月期の成長率も引き続き政府目標を大きく下回っているとの観測が多い。

発表延期について、ロイター通信はジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏の「経済指標の発表延期は景気の回復状態が悪いことが理由ではなく、共産党大会が行われていることが理由だ。当局はメディアや市民の関心をこのビッグイベントで伝える重要なメッセージに集中させたいと考えている」との見方を紹介。同氏によると、大半の速報ベースの経済指標は第3四半期の景気回復加速をうかがわせており、経済指標の発表延期で市場の地合いが悪化する可能性は低いという。

米ブルームバーグ通信によると、スタンダード・バンク・グループの中国担当チーフエコノミスト、ジェレミー・スティーブンス氏は、中国が発表する四半期ごとの統計は世界の投資家が注目していることから、突然の発表延期は「体裁が良くない」とした上で、「ただ現在行われている行事の重大さを考えれば意外ではない」と述べた。ブルームバーグ通信のエコノミスト調査では7~9月のGDPは前年同期比3.3%増と見込まれていた。

米CNNも「共産党大会に配慮した可能性が指摘されている」と報道。専門家らの話として「習近平総書記(国家主席)の3期目入りが確実視される党大会の期間中、当局は余計な情報が物議を醸すことを避けようとしている」と伝えた。

一方でCNNは「指標の数値が思わしくないために発表を遅らせたとも考えられる」とも言及。「国際通貨基金(IMF)や世界銀行も最近、ゼロコロナ政策などを理由に今年のGDP成長率予想を下方修正した」と付け加えた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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