中国科学院の科学研究指数、東大を抜きアジア一に―中国メディア

Record China    2014年4月18日(金) 2時20分

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17日、ネイチャー・パブリッシング・グループはこのほど、2013年に科学誌「ネイチャー」および関連誌に掲載された論文に関するランキングを更新した。資料写真。

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2014年4月17日、ネイチャー・パブリッシング・グループはこのほど、2013年に科学誌「ネイチャー」および関連誌に掲載された論文に関するランキングを更新した。科技日報が伝えた。

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2013年に世界の各研究機関が「ネイチャー」および関連誌に掲載した学術論文の、著者の貢献度に基づくネイチャー・パブリッシング・インデックス(NPI)ランキングを見ると、中国科学院は2013年に165本の論文を同グループ傘下の科学誌に掲載した。中国科学院のNPIは63.15に達し、初めて東京大学を抜きアジア太平洋で首位になり、世界6位に浮上した。中国の科学研究機関が、NPIのトップ10に入るのは、これが初めてだ。

ネイチャーは世界で最も古い歴史を持つ国際的な科学誌で、毎年発表されるNPIは、高品質の基礎研究を評価する指標とされている。中国の科学界では近年、「論文数を誇らない」という共通認識が形成されているが、今回のNPIの発表は、中国の科学研究力に関する議論を引き起こした。NPIの2013年の報告書は、同指数の上昇は中国の科学研究力の強化を側面から反映したと指摘した。

◆NPIの計算方法

ネイチャー・パブリッシング・グループ上海事務所の関係者である李[票風](リー・ピャオ)氏は記者に対して、「NPIは同グループ傘下の科学誌に掲載された論文数に基づき計算され、1本あたり1点が加算される。1本の研究論文に2人の著者がいれば、2人の所属する機関が0.5点ずつ獲得する。中国科学院は2013年、同グループ傘下の科学誌で165本の論文を掲載し、筆者の比率に基づき調整した後の得点は63.15点となった。ランキングは、CC(Corrected Count)の得点によって導き出される。CCは、共著論文の個々の著者の相対的な貢献度を示している。仮にある機関が10本の論文を発表し、これらの論文のうち同機関の筆者が占める比率が65%に達すれば、得点は6.5点になる」と説明した。

◆中国、物理・化学で活躍

上述の報告書は、「2013年は中国の科学にとって発見の年であり、最先端技術の分野で豊かな成果を獲得した」と指摘した。

同報告書によると、中国はアジア太平洋の科学研究論文の数の増加をけん引した。有人宇宙船「神舟10号」が宇宙を探査し、スパコン「天河2号」の計算速度が2位の米「タイタン」に2倍弱の差をつけ首位となり、月面ローバー「玉兎号」が月上陸に成功した。一連の科学研究が、2013年の中国のNPIを押し上げる決定的な要素となった。中国は2−3年内に日本を抜き、アジア太平洋でNPIの最も重要な貢献国になると見られる。

同報告書はまた、中国の化学のNPIが特に秀でていると指摘した。中国科学院、華大基因研究院、厦門大学を含む主要研究機関は2013年に、同グループ傘下の科学誌に33編の論文を掲載した。また中国科学院物理研究所と上海生命科学研究院は、中国科学院のNPIの最大の貢献者となった。

南京大学が「ネイチャー・フィジックス」で発表した論文数は、その他のアジア太平洋の研究機関を上回り、「ネイチャー・マテリアルズ」での掲載数は3位になった。華大基因研究院と上海交通大学の90%の論文は、海外との共著であった。

◆基礎研究の拡大、順位上昇の主因に

同グループの大中華地区担当者、「ネイチャー」編集員のニック・キャンベラ氏は、「世界の高品質の科学研究センターが、徐々に東に移っている。欧米の科学研究機関が現在も中心だが、中国はアジア太平洋の科学力の成長要因となっている。中国政府が基礎研究に投資を拡大し、アジア太平洋のNPIを押し上げている。これは世界の科学研究にとって良いことだ」と指摘した。

キャンベラ氏は、「経済成長に伴い、中国は過去10−20年間に渡り科学研究への投資を拡大した。今日になりようやくNPIを通じて、これらの基礎・応用研究への投資の成果が示された」と語った。

中国科技情報研究所研究院の武夷山(ウー・イーシャン)氏は、「NPIは同グループ傘下の科学誌のみの指数だが、この順位は中国全体の科学力の強化をある程度反映できる」と述べた。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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